暴力団事務所が近くにある物件は説明する必要がある?

 

怖い人物の写真

今回は物件の近くに暴力団事務所がある場合の説明について少しだけ書いてみようと思います。

暴力団事務所が近くにある物件を借りるか借りないかは個人の判断によるかと思いますが、実際にこのような物件は存在します。

近隣の住民はその事実を知っている場合も多いものですが、一方でこれからそこに住む借主はそのような事実を知らないで契約してしまった、なんて場合もあるかと思います

不動産業者としては、そのような事実を説明しておく義務はあるのでしょうか。

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不動産業者に説明義務はある?

通常、不動産業者としては暴力団事務所の件だけではなく、「取引の判断に重要な影響を及ぼす事項」について説明をしなければならないとされています。

そのため通常は暴力団事務所が近隣にある物件で不動産業者がその事を知っていた場合、不動産業者はその旨を契約者に説明しなければなりません

 

しかし具体的に「その物件から何メートル以内に存在している場合に説明義務がある」という決まりはなく、あくまで生活圏内にそのような事務所がある場合、というざっくりな内容になっています。

これは暴力団事務所だけでなく近隣に墓地や異臭地がある場合も同じです。
どうせなら距離をはっきり決めてほしい感じもしますが、明確にさせる事で逆に不都合が生じる場合もあるのでしょう。

また上記の「生活圏内」の範囲をどのくらいと感じているかは個人差がありますが、個人的には周囲500mくらいまでは生活圏という感じもしますし、またそのくらいの距離であれば不動産業者から説明が欲しいかなという感じもします。

 

しかし実務においては、特に仲介業者は自分が行った事もない初めて見る物件をお客さまにご案内する事も多く、業者さん自体もその暴力団事務所の存在さえも知らなかったというケースもあり得ます。

また管理会社が作成する契約書面にはそのような注意事項がある場合は記載があるのが一般的ですが、管理会社が作成した契約書類を仲介業者が引き継いでその内容を説明するという流れも多く、周知徹底できていない可能性も考えられます

 

反社会勢力との賃貸契約を解除できる?

書類を記入する写真

また暴力団事務所がないにしても通常のマンションに暴力団員が個人で居住している場合もあります。

反社会勢力の人と言うと怖そうな外見をイメージする人も多いかと思いますが、実際には一般の人と見分けが付きにくい人ももちろん多くいます。
またこのような方は一度建物内で問題を起こすと退去させられる事を自分で知っているので、周囲の住民とトラブルを起こさないように割と静かに暮らしているケースも多いものです。

 

さてこのような反社会勢力が居住している事が分かった場合、賃貸借契約を解除する事はできるのでしょうか。
前述の通り反社会勢力が自ら建物内でトラブルを起こす事は比較的少なく、また債務不履行等の契約違反もない場合には簡単には契約解除は出来ません。

そのため通常の賃貸借契約書には暴力団排除の特別条項が記されている事が普通であり、入居者が反社会勢力であった場合には賃貸借契約を解除できる旨の記載がある事が普通です。
これにより反社会勢力との契約を解除できると考えられます。

 

反社会勢力への明渡請求の判例

反社会勢力への明け渡し請求の判例が割と近年にあります。

平成27年3月27日 最高裁 建物明渡請求(市営住宅契約解除)

市営住宅の賃貸借契約において、市営住宅条例で「入居者が暴力団員であることが判明した場合には明渡し請求できる」との条項に基づいて、市が暴力団員であることが判明した入居者に対して明渡しを請求したのに対して、入居者(反社会勢力)がそれを憲法違反だと主張して争った判例

上記は憲法に違反しないとして、市の明渡し請求が認めらました。

不動産取引においても反社会勢力排除の動きは強まっている風潮があり、このような判例も今後影響が出てくるように思います。


 

一般の賃貸借契約においても、近隣に反社会勢力が居住していたというケースは、決して珍しい事ではありません。

基本的には不動産業者にも一定の説明義務はあるという見方が強いものの、実際の実務において必ずしも漏れなく説明がなされているかと言われれば、そうとも言えない部分もあるでしょう。

不動産業者の説明だけでなく部屋の内見時にも周囲の環境は様子など、自分の目でよく確認をしておく事も大切ですね。

それでは今日はこの辺で。

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