地震被害で借主遺族から大家に対して3億円の損害賠償?

 

今回は地震被害について少しだけ書いてみようと思います。

記憶に新しい東日本大地震が起きたのが2011年3月11日。あの時の地震の大きさはまだ皆さんの

記憶にも残っているでしょう。

建物にとって一番怖いのが地震。自然は建物だけではなく人の生命さえも簡単に奪い取ります。

建物の中には鉄筋コンクリート・鉄骨造・木造等がある訳ですが一般的に一番頑丈なのはやはり鉄筋コンクリート

(RC)です。東日本大地震や阪神大震災を見ても倒壊したのがRCよりも木造が圧倒的に多かった事が

それを証明しているようにも思います。

またその建物が建築された日付によっても耐震性は大きく異なります。

昭和56年6月には「新耐震法」が施行されました。建築基準から見てもこの法が施行された前と後の

建物では大きく違います。売買でもこの日付以前か以降かで多少の価格差が出る場合もあるでしょう。

着工時期も考慮すれば昭和58年以降くらいの建物を選択したい所ではあります。

さて1995年に起きた阪神大震災では地震で多くの方が亡くなりました。

死者は6千人以上にのぼりました。全壊した家族も10万棟以上になります。いかに大きな地震であったかを

感じると共に日本の木造家屋が倒壊する危険性があるとその時に思い知らされたものです。

この阪神大震災で1棟のアパートが倒壊しました。そしてその建物の1階に住んでいた4名が亡くなった

事があります。4名はいずれも未来ある若者たち。その際に遺族がそのアパートの大家さんを相手取り訴訟を

起こしました。内容としては地震による被害ではなく建物自体の強度に問題があったとして訴訟提起したんですね。

損害賠償請求額は4億円。そして裁判所も遺族からの賠償請求を認めました。判決としては遺族に対して

1億2883万円の支払いを命ずるものです。

この判例では、神戸地裁は、建物の瑕疵と地震という自然災害が合わさって建物が崩壊したと認めた上で、

大地震による不可抗力を認めつつも残りの責任は建物所有者に責任を負ってもらう必要があると判断して

損害賠償の支払いを命じました。

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この大地震で共通していた点はやはり昭和56年以前の木造建物が多かったという事です。実際に上記の

訴訟になった建物も昭和56年以前に建てられたものでした。阪神大震災で倒壊した木造建物の多くは

シロアリ被害で建物の腐食が進んでいた建物や1階部分が駐車場になっている耐震性の低い建物でした。

もちろんそれ以降の建物が絶対に安全だとは言い切れませんが、居住場所として選ぶのであれば新耐震法

施行後の建物・木造よりも鉄筋コンクリートという点は一般的な意見かと思います。

木造と鉄筋コンクリートの強度は大幅に違いますが一方で家賃にはそれほどの開きは見られない事が多いものです。

むしろ立地や駅からの徒歩距離・間取りや設備が家賃の決定要因になっています。近隣地域の同じような

条件の物件と比較して間取りや設備などプラスマイナスを考慮して決定します。

一概には言えませんがRCの方が隣接からの音も漏れにくいし断熱性も高く冬暖かく夏涼しいという利点もあります。

それはもちろん電気代にも影響します。また耐用年数で言っても木造は22年・鉄筋コンクリートは47年と

倍以上の開きがあります。もちろんその耐用年数が正しいとは思えませんが木造アパートであれば築30~40年

経過すれば建て替えの話が出てきてもおかしくはない時期です。借主さんとしては退去させられてもたまりません。

好みの問題もありますしもちろん木造なりの良さもありますが、中古物件であればさほど建築材料は家賃には

反映されていない事が多いです。

また地震により責任を問われるのが大家さんだけとは限りません。その物件を仲介した不動産屋にさえも

責任が及ぶ可能性があります。過去の判例では「一般に仲介業者は、建物の構造上の安全性について建築士のように

専門的知識を有するものではないから、建物の構造の安全性を疑うべき特段の事情が存在しない限りその調査義務

までは負担していない」というものがあります。しかし裏を返せば瑕疵について知っていながら対処を怠った

場合(契約時の説明不十分など)には責任追及される可能性があるとも言えそうです。正直な事を言えば

不動産屋の賃貸営業マンは日頃からノルマやADを念頭に入れて仕事をしているのでお客様の住む物件が

耐震法施工前なのか後なのかという点に着目して物件提案をしている事は少ないです。また残念な事にこのような

築年数の古い物件に限って広告料(AD:営業マンの成約報酬)が多く付きます。理由はもちろん不人気な

物件だからです。だから無責任なようですが安心して住める物件かどうかという事はお客様自身が入念に確認したほうが

安全かと思います。もちろん自分の歩合給よりお客様の住まいを心配してくれる営業マンも少なからずいるかも

しれませんが残念ながら一部です。

日頃から安心して生活するためにもできるだけ頑丈な建物に住んでいたいものですね

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