商業施設のテナントが利益が出ても儲からない理由?
今回は商業施設のテナントについて少しだけ書いてみようと思います。
大型商業施設にはいつも多くの人で賑わっていますね。
私の住む近隣地域でもら○ぽーとがありますが土日ともなると人で溢れています。
どのお店も忙しそうで、中には入店待ちのお店まであります。
ショッピングセンターや大型モール等のテナントを見ても、大盛況で賑わっています。
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商業施設のテナントは儲からない?
大型商業施設のお店は「さぞや儲かっているんだろうなぁ」と感じる人も多いのではないでしょうか
ですが実際にはそう上手くはいきません。
その理由は商業施設の賃料形態にあります。
通常、商業施設以外の一般的なテナントを借りる場合には毎月○○円と賃料が決まっています。よく見る固定賃料ですね。
ところが大型商業施設のテナントの場合には賃料が売り上げに応じて増えていくシステムが採用されている所が多いんです。
「固定賃料+歩合賃料」という形態が多いかと思います。
ですから頑張って売り上げを増やせば増やすほど毎月のテナント賃料が上がる仕組みになっています。
フランチャイズ店のロイヤリティなんかと同じ考え方ですね。
ですから前述した入店待ちで行列が出来ている店だって売上は伸びているかもしれませんが、利益が出ているかどうかは内部の人間しか分かりません。
客観的に見てその店が盛況のように見えても、いつ閉店しても不思議ではないのです
しかし売上が伸びれば伸びるほど利益が少なくなってしまっては店舗側のやる気が無くなってしまうので、売り上げを伸ばせば多少ですが利益が先行するような賃料計算に設定されている事が多くあります。
例えば [icon name=”calculator” class=”” unprefixed_class=””]
最低保証売上が6000000万円で設定されているとします
①月額売上8000000円まで 12%
②月額売上8000000円以上 10%
というような賃料設定だったとすると
売上が650万円だった場合は12%ですので650万円×12%=780000円が賃料になります。
売上が750万円でも750万円×12%=900000円です。
ですが頑張って売り上げが850万円になったとしたら、850万円×10%=850000円の賃料となります。
750万円のケースよりちょっとだけ賃料が下がりましたね
ですので頑張って一定のラインまで売り上げを上げれば賃料も安くなるというアメを与えられている訳です。
どちらにしても商業施設側の取りっぱぐれがないように出来ているんですね。当たり前と言えばそうなんですが。。
そしてこの他にも光熱費や共益費や販促費・駐車場代・警備費など色々と賃料に上乗せされてきます。
一般的な商売モデルで考えても、テナントの賃料というのは成功ラインとして売上の10%程度に留めないといけません。
3日間で賃料分を稼げるくらいのイメージですね。
ところがモールや商業施設の賃料形態では頑張っても賃料が売り上げの20%前後になってしまう事も多いんです。
ですので商業施設のテナントは撤退する事も多いです。
中には賃貸借契約の内容をよく理解せずに契約してしまい後から悲鳴をあげるテナントもあります。
大手中心のテナントのリーシングが最近では中小企業にも声が掛かるようになってきました。
今まで地元の固定賃料のテナントで頑張って成長してきたテナントが商業施設に口説かれ出店し、後から気づいた時には身動きが取れなくなっているケースというのは意外に多いものです。
特に今までの出店状況を見て、実績が付いてきた店舗や売り上げが見込めそうな店舗・他店舗との相乗効果が見込めそうな店舗は声が掛かりやすくなります。
中には優遇条件として工事費や歩合率の軽減を提案されるケースもあるかもしれません。
しかし賃料で不払いが起きたり売上が伸びなくなってきた時には契約解除されます。
テナントは普通賃貸借ではなく定期借家契約が一般的ですので期間が到来したらサヨナラです。
大型商業施設やモールによっては、毎年全体の3%~5%程度の店舗が頻繁に入れ替わりしている状況を見ると、いかに商業施設内の商売が容易ではないかが伺えます。
テナントに限らず居住用賃貸でも言える事ですが、契約内容はよく確認してから契約締結するようにしたい所ですね。
また甘すぎる目標数値は後々に自分の首を絞める事にもなり兼ねませんので、冷静に数字を判断するようにしましょう。
今日はこの辺りで
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