不動産屋への苦情受付先は本当は存在しない?
不動産屋への苦情受付先は本当は存在しない?
今回は不動産屋の苦情受付先について少しだけ書いてみようと思います。
昔ほどは多くはないかもしれませんが未だに賃貸トラブルというのは付きものです。
不動産屋には常に沢山のトラブルや苦情が付きまといます。
一般消費者の方々が苦情を申し出たい場合、幾つかの受付先があるかと思います。
宅建協会・住宅指導課・消費者センター・法テラス・フランチャイズ本部などなど様々な団体がありますが
どこに苦情を申し入れるのが一番効果的なのでしょうか。
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例えば宅建協会ですが苦情の受付先となっていますが実際に苦情を申し入れたとしても
事務的な作業で終わってしまう場合というのも多いかと思います。宅建協会はもともと業界の権益保護
にも注力していますので苦情が発生したとしてもその業者に具体的に指導・是正してくれる事を必ずしも
期待できるとは限りません。業者の殆どは宅建協会に加入していますが毎年その会費を支払っている会員業者に
対して自分の会員に業務を是正させる事自体が難しい事のように個人的には思います。またそもそも宅建協会には
業者に対して免許取り消しや業務停止命令等のペナルティを課す権限自体がありません。業者としても
宅建協会から連絡が入ったとしてもインパクトは薄いように思われます。
また役所の住宅指導課(建築指導課)も不動産業者の苦情の受付をしています。苦情の受付先として
一番現実的なのはここかなという感じもします。不動産業者は国土交通省や都道府県知事から免許の
交付を受けて営業をしています。役所のこのような管轄部署に苦情が入ると最悪の場合にはその不動産業者の
免許取り消しや業務停止命令等があり得ます。また住宅指導課の人間は当然公務員ですからある程度は
中立的な立場で受け止めてくれる場合も多いでしょう。またその苦情先の不動産業者が大手か中小零細なのかに
よっても変わってきます。大手になればなるほど賃貸借契約書の条文や取引方法に注意していて神経質です。
また住宅指導課等に苦情が入って処分が下されれば看板に傷がつく事もありダメージが大きくなる可能性も
あります。また中小零細の不動産業者にとっても役所から訂正指導が入ればある程度の効果は期待
できるかもしれません。しかし役所の人間が柔軟に動いてくれるかと言えばお役所仕事な一面もあり
多数の苦情や被害が集まらないと動けない場合もあったり明らかな法律違反やその証拠がなければ指導も
できないケースというのも十分考えられるかと思います。
消費者センターについては相談には十分応じてくれる事も多いかと思います。また専門の相談先も紹介
してくれたり今後の対処方法などを提示してくれる場合もあるでしょう。人に相談して安心が得られる
と感じる人や相談がしたい人には良いかと思います。しかし消費者センターにも不動産業者にペナルティを
下す権限はなく問題そのものが解消する事に繋がるケースは少ないのではないでしょうか。
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また消費者センターの相談員に寄せられる苦情というのはもちろん不動産トラブルだけではありません。
ネット取引関係・オンラインゲーム課金・高齢者詐欺・生命保険などなど様々です。
不動産の専門的な相談に全て十分な対応が出来るとは限りません。消費者センターの相談員は民法や
消費者生活法の知識を持ち合わせている人は多いかもしれませんが宅建業法の細かい知識まで十分な知識を
持っている人は少ないかもしれません。混み入った不動産トラブルについてはケースによっては不向きな
場合があります。
法テラスの弁護士に依頼するというケースもあるでしょう。元々法律案件であれば弁護士に相談するという手も
あるかと思います。法テラスの相談というのは民事法律扶助制度を使って法テラスを通して弁護士に依頼する
事になりますので通常の弁護士事務所に依頼するよりは費用が安く済む場合もあります。またその費用も
弁護士ではなく法テラスが決め契約書も法テラス側が作成します。しかし法テラスを挟むため、逆に弁護士が
柔軟に身動きが取れない場合や法テラスを通すと言っても訴訟沙汰になれば費用が高額になるケースもあります。
売買系であればまだしも賃貸トラブルであれば敷金トラブルや預り金トラブルが多数を占めますので弁護士に依頼
するというのは費用面で見ても割に合わない事が多いです。
また不動産大手のフランチャイズ店が駅前の路面店にたくさんありますがそのフランチャイズ本部に
苦情を申し出るという人もいるかと思います。ですがご想像の通りあまり効果は期待できません。本部は
フランチャイズ店からロイヤリティを取ってナンボですので自分の首を絞めるような事はしません。
もちろん本部から通告がなされる事はあるかと思いますが実質的にFC店がダメージを受けたり本部とのFC契約が
解除されたりという事にはもちろん及びません。
まだまだ不動産関係の苦情受付先はたくさんありますが実質的に見て率先してその不動産業者に指導・是正
してくれる団体というのは本当に少ないものです。どの団体も結局は「持ちつ持たれつ」の色が強く
積極的に自分だけに見方してくれる団体というのは殆ど無いという事は自覚しておいた方が良いかもしれません。
であれば自分で行動するしかありません。あまり個人が訴訟を提起するのを積極的に考えたくはありませんが
敷金などの少ない金銭のトラブルであれば少額訴訟という手も一応あります。
あまりにも多額であれば弁護士に依頼するケースもあるでしょう。その為の証拠作りは自分でしていかなければ
なりません。トラブルになる種は不動産の場合「言った・言わない」のケースがとても多いです。
ですからできるだけ大事な事は書面化しておく事も大切ですし契約時に不明な点はじっくりと話を詰めておく
事も重要です。不動産については素人だから、、という言い訳も契約を締結している以上は通用しなくなります。
数少ない優良な相談先をうまく活用しながらトラブルを解決してきたいものですね
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