部屋で病死・自殺した場合は損害賠償請求の対象?

 

今回は部屋の中で病死した場合の損害賠償請求について書いてみようと思います。

人間は誰しも死ぬもの。どんな人だって死だけは避けて通る事ができません。

高齢になっても配偶者がいれば病気になったとしても病院に連絡してくれるでしょうし老人ホームにでも

入っていればスタッフが対応してくれるでしょう。

しかし必ずしもそうでない人もおり特に昨今では高齢者が独り身でワンルームマンション等に

住んでいるケース等も少なくなく、病死してから1週間~1か月くらい死体のまま放置

されているケースもあります。また不景気と自殺者は相関関係にあると言われますがやはり

人生の苦しみから逃れられずに部屋で自殺をしてしまう人もいます。酷いケースになれば死体から

虫がわいてしまっていたり体液が畳やフローリングに流れて付着していたり臭いが部屋中に

充満していたりとなかなか処理が難しい場合もあります。死体処理については大抵は専門業者が対応に

あたり残置物の処理や部屋の清掃も受けてくれる場合もありますが完全に綺麗に原状回復できない場合も多く

トラブルに繋がる事もあります。

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また部屋を綺麗にクリーニングしたとしてもその部屋の中で人間が死亡したという事実は

後にも残るため、借り手が付きづらくなる傾向もあります。病死については賃貸借契約時に

新たな借主に対してその事実を説明するか否かは見解が分かれる所もあり、中には全く

説明もせずに借主を募集してしまう不動産業者もあります。部屋の中で人間が死亡したとなれば

部屋に汚損等が残る可能性だけでなく大家さんとしても今後の募集に大きなダメージになります。

殺人事件や自殺等があった部屋等では家賃を下げたり初期費用を安くする等してハードルを大きく下げないと

入居者が見つからないという事だけでなく契約時にその旨を重要事項説明として借主に説明しなければ

なりません。病死の場合には一般的には死後1週間くらいで発見され処理されたものであれば

「借主にその旨を説明することが望ましい」程度のニュアンスで定められている事が多く

強制的な説明義務が業者側に課せられていない事が多いので借主さんの立場としては注意が必要です。

部屋で死亡したとなるとクロスや畳・フローリングやユニットバス等の交換が考えられ

大家さんとしては連帯保証人や相続人に対して損害賠償請求を起こす事もあります。相続人は

相続放棄しなければその借家権を継承しますし連帯保証人としても借主本人が死亡したからといって

その保証債務を逃れるものではないからです。しかし過去の判例を見てもその損害全てを賠償しなければ

ならないという訳ではなくあくまでその現場の状況により認定される賠償範囲は異なります。

また損害賠償は免れたとしても大家さんとしては逸失利益分の請求を起こす事も考えられます。

逸失利益とは本来は正規の家賃で募集できたのに借主が死亡した事によって部屋の募集が正常に行えなく

なった事に対しての賠償請求にあたります。逸失利益にあたるものは例えば家賃を減額したり

フリーレント期間を設けたり敷金・礼金等の初期費用を下げざるをえない状態を指します。

これもやはり最終的には裁判所の判断という事になりますが死後の経過日数や部屋の汚損具合・部屋の間取りや

立地条件等によって認定されるかどうかが異なってきます。また逸失利益という意味ではその死亡した

部屋に限られる事なくその周囲の部屋にも影響が及ぶとも考えられ、周囲の部屋の分まで賠償請求されてしまう可能性が

ある点も注意が必要です。

損害賠償請求にあたる金額にとして考えられるものは明け渡しまでの賃料分や原状回復費用・賃料の減収分

などが挙げられるかと思います。明け渡しまでの賃料は原状回復には通常より時間がかかるケースもありますし

その間は入居者募集を正常に行えない訳ですからその分の賠償請求にあたります。また死後から遺体発見が

遅れた場合には滞っているその賃料も請求範囲に含まれる事もあります。また原状回復費用としては

当然ながら遺体や残置物を処理したりクリーニングを施したり臭いを取る為にクロスや床の取り替え等が

上げられます。また賃料の減収分は先ほどの逸失利益に関係しますが一定期間借り手が付きづらくなったり

賃料を減額する必要があると認められる場合に賠償請求の範囲に含まれます。

また部屋の中で死亡したとは言っても病死と自殺では裁判所の判例が大きく分かれる事も多く

特に病死の場合には本人の故意や過失に当たらない事から損害賠償責任が発生したとしても

限定的な金額となる事が多いでしょう。

以上部屋内での死亡事故と損害賠償請求について簡単に書いてみました。

死亡事故は物理的にも精神的にも簡単に処理する事ができるものではありませんが、やはり普段から

家族や知り合い等が時々様子を見にいったり頻繁に連絡をしてあげる等の配慮が必要になってくると

思います。また大家さんや業者側としても高齢者などを入居させる場合には事前に損害保険で備えて

おく等の対策が必要になってくるでしょう。いずれにしても日頃から様々な事故に備えておく準備は

必要と言えそうですね。それでは今日はこの辺で。

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