借主が逮捕された?契約解除事由になる?

 

今回は借主の逮捕について書いてみようと思います。

よくテレビの中で有名人や著名人が逮捕されるなんて話題を聞く事もありますが知人や友人が

逮捕されたという経験を持つ人は意外にいるのではないかと思います。逮捕というと自分には

関係のない話と感じる人も多いのですが水面下では意外に多くの逮捕者が出ている話を聞く事も

あります。さて賃貸で部屋を借りていて借主が逮捕された場合というのは契約解除自由(退去)に

なるのでしょうか。

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逮捕されるとなると本人は拘留されている事が通常かと思いますが社会的な罪を犯して逮捕され

部屋には住んでいない訳ですから契約解除事由になると考える人もいるのかもしれません。

ですが結論としては逮捕されたとしても賃貸借契約の契約解除事由となるとは限りません。

むしろそれだけでは解除されない可能性の方が高いとも言えるでしょう。

逮捕以外の問題でも同様ですが契約解除できるかの争点になるのはやはり貸主と借主の信頼関係が

崩壊しているかどうかがポイントになってきます。罪を犯して逮捕されたとはいえ貸主である大家

との直接的な信頼関係の崩壊とは認められにくいのが実際の所かと思います。また逮捕されたとは言っても

確定の有罪判決が出るまでは無罪推定され、はっきりとした事も言えないのが実情です。

契約書に逮捕・拘留時の契約解除の条項が盛り込まれていたとしても即刻契約解除という事は難しいでしょう。

ただし逮捕理由が例えばそのマンションの隣人への傷害事件・盗難窃盗・近隣入居人の盗撮・暴力団

関係者との繋がりの発覚からのトラブルなど、近隣住民や建物内でのトラブルとなれば逮捕を理由に

契約解除が認められるケースも一部では考えられます。信頼関係の崩壊という面から見ても同じ建物内で

犯罪行為を犯すという事は周囲の入居人への影響も大きく、貸主との関係崩壊と見なされても不思議では

ありません。ただしやはり一般例としては逮捕という事実だけでは中々契約解除まで持ち込む事は困難

でしょう。

では全く契約解除できないかと言えばそうでもありません。理屈では解除が困難と見られる事由で

あったとしても、逮捕された借主本人が契約解除に合意すれば契約を解除できる事は出来ます。

拘留されているのであれば本人に接見し警察を通して合意書面にサインしてもらえば解除は可能でしょう。

また本人が解除を認めない場合であったとしても拘留され続ければ賃料の滞納も考えられます。

一般的には3か月ほど賃料の滞納が続けば貸主との信頼関係は崩壊したとみなされるケースも多いです。

もちろん途中経過に内容証明等で催告をしている事が前提になるとは思いますが、賃料の長期的な滞納は

解除事由として考えられます。但し契約締結時には連帯保証人を付けるか最近であれば保証会社の利用を

している事が一般的で保証人や保証会社が賃料を支払い続けるのであれば解除が困難になるケースも考えられます。

もっとも事由が逮捕という事なので保証人に相談すれば解除に合意してくる事も十分考えられますし

保証会社も借主の逮捕は代払いの免責事由に該当するケースが多い事から支払いを拒否する事も想定され、

その場合には明け渡し訴訟後に解除できる可能性があるかと思います。

また突然逮捕された訳ですから部屋内には借主の荷物が残っている事が想定されます。

契約解除なされる前に荷物を部屋から運び出す事はもちろん自力救済行為として認められませんし、

契約解除された後でも勝手に持ち出す事は後々のトラブルがないとも限りません。

退去同意書面と併せて本人・連帯保証人・家族等に残置物放棄の合意書面を取ってから荷物の処理を

検討する必要があるかと思われます。

他人事のように感じる人も多いかと思いますが身の回りの出来事から事件に巻き込まれるという事は

あり得ない事ではありません。

いずれにしても事件を起こし逮捕されるという事はケースによってその後の人生が大きく左右されます。

周囲にもよく注意して生活をしていきたいものですね。

それでは今日はこの辺で。

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