不動産屋を通さないと契約できない?賃貸の直接契約のトラブルとは

今回は不動産屋を通さない契約について挙げてみたいと思います。

引越しで部屋探しをするとなると、まず不動産会社へ…という流れになる事が多いように思います。

それは不動産取引自体が普段からあまり馴染みのない取引という事もあるかと思いますし、以前から新居探しは不動産屋へ相談という形が定着している事もあるかと思います。

でもよくよく考えてみればお部屋を借りる時の賃貸借契約というのは大家さんと借主さんの契約です。

中には不動産屋を通さずに直接大家さんと契約をしたいと考える人もいるのではないでしょうか。

スポンサーリンク

不動産屋を通して契約をする理由は?

それではなぜ賃貸契約をする時には不動産屋を通して契約をするのでしょうか。

それは大家さんと借主さんが直接契約をすると後々にトラブルになる事が多いからです。

 

例えば、普段から契約書を作り慣れていない大家さんが契約書を作成すると、不備の多い契約書になってしまう可能性があります。

また大家さんは賃貸経営面においては専門かもしれませんが、入居者のトラブル対応や建物管理においては専門ではないかもしれません。

そのため借主から大家に直接苦情が入ったとしても十分な対応ができるとも限りませんし、入居者の募集や借主の家賃滞納など、大家さん自身が全て対処できるかも不透明な所です。

 

また大家と借主の間で何かしらのトラブルが起きた時に、直接取引の場合には力関係等でどちらかに不公平な対応がなされる可能性が高くなります。

不動産屋が仲介をする事によって、トラブル時にはお互いの間に入って問題を解消することも可能です。

確かにどちらかと言えば不動産屋も大家さん寄りの立場である事が多いものですが、それでも第三者が仲介に入る一定の効果はあるように思います。

 

もちろん不動産屋に管理を頼まず、自主管理で入居者募集から物件管理まで全て自分でやっているという大家さんもたくさんいます。

そのような方であれば入居者さんと直接契約を締結してくれるという人もいる事でしょう。

ですがそのような大家さんの数は多くはありませんし、また自分で見つけるのも一苦労です。

 

不動産屋を通さないメリットは?

それでは不動産屋を通さずに賃貸契約をするメリットにはどのような点があるのでしょうか。

幾つか挙げてみます。

  • 仲介手数料がない
  • 条件交渉のしやすさ
  • 更新料の金額
  • オプション手数料がいらない
  • 大家の性格がわかる
  • 物件を細かく把握している

 

仲介手数料

まずは不動産屋を通さずに契約をするという事は、仲介業者が入らないことになりますので、当然に仲介手数料はかかりません。

不動産屋と通すと通常は1か月分程度の仲介手数料がかかりますので、直接契約により初期費用を抑えられる可能性があります。

 

条件交渉のしやすさ

大家さんと顔見知りの時など、直接交渉の場合には家賃や敷金・礼金などの減額交渉に応じてもらえる可能性があります。

 

更新料の金額

更新時の更新料については、通常は大家さんと不動産屋で折半にしたり、別途更新事務手数料がかかるケースも多いものです。

そのため不動産屋を通さずに直接契約をすれば更新料等においても交渉の余地が出てくることもあるでしょう。

 

オプション手数料がいらない

不動産屋で契約をした場合には、オプション費用がかかる事があります。

24時間対応サポート・害虫駆除費用・火災保険・鍵交換代など様々な費用がかかってきます。

大家と直接契約をする事により、自分が希望していないオプションの費用を削減できる可能性もあるでしょう。

 

大家の人となりがわかる

不動産屋を通して賃貸借契約を締結する場合、その場には大家さんは同席しないことが殆どです。

そのため入居後も大家さんがどんな人なのか・どのような性格なのかといった事を知らないまま、入居し続けているといったケースが多いものです。

もし直接契約をするとなると大家さんと会って契約をする事も多いかと思いますので、お互いを知った上で契約に臨むことも可能です。

 

物件を細かく把握している

不動産屋を通して契約をする場合でも、特に仲介専門の不動産屋だとその物件の詳細情報を知らないといった事も少なくありません。

その点においても直接契約であれば大家さん自らが対応することになりますので、自分の物件のことは隅々まで知り尽くしている事でしょう。

スポンサーリンク

大家と直接契約をするトラブルとは

メリットばかりのように見える大家さんとの直接契約ですが、当然にデメリットも多くあります。

それでは賃貸で直接契約をした時に起こり得るトラブルとはどのような事があるでしょうか。

  • 契約書に不備がある可能性
  • 十分な物件説明がない可能性(重要事項説明がない)
  • 入居審査も大家によって基準がマチマチ
  • 第三者として相談に乗ってもらえない(収入が少ない・保証人)
  • 管理会社がないとトラブル時に不安
  • 大家との距離感が近い

 

契約書に不備がある可能性

賃貸借契約は口約束でも可能ですが、後々にトラブルになると困るので、契約書面として作成しています。

大家さんが契約書を作成するとなると、時には不備のある契約書になってしまったり、明らかに大家側に有利な契約書が出来上がってしまう可能性があります。


 十分な物件説明がない可能性

賃貸借契約においては、契約時に宅建主任者をもって重要事項説明がなされる事になっています。

ですが不動産屋と通さずに直接取引の場合には、重説も必要ありません。

そのため借主にとっても十分な説明がなされないままに契約が成立する可能性があります。


 入居審査も大家によって基準がマチマチ

大家さんが独自に審査をするとなると、その審査基準も人によってマチマチです。

最近では保証会社利用の物件も多くなってきましたが、不動産屋を通さないことで審査基準が曖昧になる可能性もあるかもしれません。


 第三者としての相談先がない

賃貸で家を借りる借主さんの属性は、物件をスムーズに貸してもらえる人ばかりとは限りません。

例えば水商売の人・収入が少ない人・保証人が用意できない人など、その人なりの事情があるケースもあります。

不動産屋を通した場合には担当者が機転を利かしてくれる事も多く、事情を持った人でも条件に合った物件を探してくれます。

直接取引の場合には、そこまで大家さんが融通を利かしてくれるかどうかは不透明な所です。


 管理会社がないとトラブル時に不安

借主さんの心情からすると「管理会社があるだけで安心感を感じる」という人も多いようです。

特に一人暮らしの女性などの場合には、その傾向が強いように思います。

不動産屋を通さずに直接取引の場合にはそのような管理サービスが付いていない事が普通ですので、人によっては不安を感じてしまう可能性があります。


 大家との距離感

自主管理の物件の中には、大家さんが同じ建物に住んでいたり、大家さんが近所に住んでいる物件も多いです。

そのため普段から大家との心理的な距離感が近かったり、生活マナーまで指摘されたりと、あまり良い気分がしないという借主も中にはいます。

気にしない人であれば良いのかもしれませんが、直接取引の場合には大家さんとの距離感も気になる場合があります。

 

不動産屋を通さない物件の探し方は?

書類

不動産屋を通さない物件の探し方はどのようにすれば良いのでしょうか。

周囲にオーナー等がいれば相談に乗ってくれる事もあるでしょうし、知り合いのオーナーの伝手があれば話を聞いてもらえる事もあるでしょう。

もしくは管理業者の看板が出ていない物件ポストの名前等から、ある程度は自主管理がどうかを推測できる場合もあるかと思います。

特定の建物が決まっている場合であれば法務局で登記簿を取得して大家・地主の情報を確認して交渉する方法もあります。

 

ただし大家が分かったとしても直接取引に応じてくれるかどうかは分かりませんし、実際に「不動産屋を通してくれ」と断られるケースが多いです。

理由としては、直接取引において大家側にはメリットがさほど多くはない事・契約に手間がかかる(面倒)事、などの理由が挙げられるかと思います。

また借主さんとしても不動産屋と通さないという事は、大家と直接交渉しなければならない事や契約内容を見極める知識が要求されます。

どうしても直接取引をしなければならない事情がある場合を除き、やはり不動産屋を通して契約に臨むほうが無難と言えます。

 

不動産屋を通さないと契約できない?まとめ

不動産屋を通さない場合の賃貸契約において幾つか挙げてみました。

直接契約にはいくつかのメリットがありますが、それ以上にデメリットが潜んでいる場合も多いものです。

直接取引で契約時の初期費用を浮かせようと思ったばかりに、後々にそれ以上の費用を支払わなくてはならなくなる可能性もあります。

個人それぞれの考え方にもよりますが、出来れば最初から不動産屋を通して契約に臨んだほうが良いのかもしれませんね。

それでは今日はこの辺で。

スポンサーリンク