賃貸の鍵交換を拒否する事はできる?自分で交換する事は可能?

今回は賃貸の鍵交換について書いてみようと思います。

賃貸の家に住む際には、鍵がきちんと交換されているか、借主さんとしては気になる所ですね。

最近では賃貸でも防犯上の問題が起こったりと、セキュリティ意識も高まっています。

特に賃貸の場合には、以前には前入居者が住んでいた事から、本当に鍵交換をしているのかどうか余計に気になる所でしょう。

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賃貸の鍵交換は本当にしてる?

現在の賃貸契約を見てみると鍵交換が必須となっている物件も多いです。

料金は通常のシリンダーキーであれば10000円~15000円程度の費用がかかっていると思います。

 

さて、賃貸物件で鍵交換をしているかどうかについては、物件や家主さんによってケースバイケースと言えます。

きちんと毎回鍵交換をしている場合もあれば、鍵交換をしないで鍵をローテーションで回している家主さんもいるでしょう。

例えば3年前に使用した202号室の鍵(シリンダー)を101号室に付け替える、A物件の鍵をB物件の鍵に付け替える等のケースです。

 

もしくは大家さんによっては予備の鍵を幾つか準備してある場合もあります。

渡された鍵を見て明らかに古かったり傷だらけである場合には、そのようなケースもあると思います。

鍵の寿命は5~10年程度ですので、数年間は使いまわして寿命が来たらやっと新品に替えるといった具合です。

 

鍵が使いまわしの場合には、その部屋の前住人が侵入できる可能性は低いかもしれませんが、他の部屋の昔の住人がもしスペアキーを作っていたら、その部屋に侵入できる可能性はゼロとは言えないかもしれません。

ですが実際にはそのような事故はほとんど起こらないですね。

 

賃貸で鍵を自分で交換する事はできる?

それでは業者任せにせず、自分で鍵交換をしてしまう事はできるのでしょうか。

確かに鍵をきちんと交換しているのか気になる人や、鍵交換費用が高すぎる場合には自分で交換したいという人もいるのかもしれません。

もしくはセキュリティ性の高い鍵に交換したいという人もいるでしょう。

 

結論から言えば、鍵交換は大家さんや不動産会社に確認をし、承諾を得られれば自分で鍵交換を行っても問題はありません。

ただし家主さんの考え方によっては、原状回復として退去時には元の鍵に戻すように言われたり、交換後に以前の鍵を全て渡すように言われる事もあるかもしれません。

 

また余談ですが、家主であっても勝手に借主に無断で室内に入ることは出来ませんが、「緊急事務管理」の場合には鍵を使用して室内に入る事ができます。

 

事務管理:例

  • 部屋から焦げた匂いがするので室内に入り火を消す
  • 住人の生命に危機があり看病のために室内に入る etc…

 

このような緊急時に備えて、家主がスペアキーを保管する・鍵交換の時には家主も立ち会う、等の条件を提示される可能性も考えられます。

そのため自分で鍵交換できたとしても、前の鍵をどうするのか・スペアの取り扱いなど、管理会社や家主の指示に従った上で鍵交換を実施することになるでしょう。

参考記事:大家が不法侵入?無断で入室できる条件とは

 

鍵交換代を借主に負担させる事は違法?拒否できる?

それでは鍵交換代金を借主に負担させる事は法的に問題はないのでしょうか。

国土交通省のガイドラインでは以下のように示しています。

入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題として、賃貸人の負担とするのが妥当

 

つまりガイドラインにおいても大家さんの負担とする事が妥当という事になっています。

ただしこれには法的な拘束力まではありませんので、大家さんが必ずしもこれに従わなくてはいけないという事はありません。

賃貸の契約内容は借主さんと大家さんが任意で決めることができ、また昔からの慣習として借主さんの負担とされている事が多いのが実際です。

 

それでは鍵交換代金を支払いたくないと拒否した場合はどうでしょうか。

こればかりは大家さん側の考え方次第でケースバイケースです。

確かに大家さんには管理責任もありますので良心的な大家さんであれば家主負担としてくれるケースもゼロとは言えませんが、実際にはなかなか難しい交渉になりますし、契約自体が破棄される可能性もあります。

また鍵交換をせずに拒否した場合、前の住人がスペアキーを作っていたとすれば防犯面にも不安が残ります。

どうしても鍵交換代に納得がいかないようであれば、まずはじっくりと相談をしてみる事から始めてみるのが良いかと思います。

 

賃貸の鍵交換費用の相場は?

鍵の種類によって交換費用の相場も変わってきます。

以下は鍵交換費用の目安です。

シリンダーキー(一般的な鍵):10000~15000円程度

ディンプルキー(割とピッキングに強いタイプ):15000~25000円程度

カードキー(機械にカードをかざして開施錠するタイプ):10000~20000円程度

管理会社に付き合いのある鍵業者がいる場合には、その方が安い場合もあります。

 

また鍵交換をする場合には以下のような方法があります。

  • 賃貸の鍵業者
  • 鍵屋(自分で依頼する)
  • 便利屋(自分で依頼する)
  • 自分で取り付ける

 

鍵交換代金は工賃が多くを占めていますので、当然に自分で取り付けをした方が安上がりにはなります。

もちろん自分で鍵交換をする場合には家主の許可が必要です。

普段から日曜大工が趣味の方であれば、鍵交換は難しい作業ではないでしょう。

 

もし許可をもらった上で他の鍵屋に依頼する場合でも、どちらかと言えば大手の鍵業者の方が良いかと思います。

大手であればまとめて鍵を仕入れている為、個人店と比較すると単価が安くなりやすい場合もあります。

また鍵業者の中には、見積もり用やキャンセル料を取る業者さんもありますので、事前に費用をしっかりと確認してから依頼するようにしたいですね。

 

賃貸でディンプルキーに鍵交換をしたい場合は?

ディンプルキーとは表面に小さなくぼみ(ディンプル)がある鍵のことを指します。

以前に空き巣被害が多かった時期に防犯意識が高まり、このディンプルキーにも人気が集まりました。

ディンプルキーはシリンダー内部の構造が複雑になっている為、開錠しにくいと言われています。

賃貸においてもディンプルキーを希望する入居者も多いようです。

 

賃貸で鍵交換をお願いすると先ほども挙げたように、一般的な鍵の場合には10000円~程度の費用がかかってきますが、ディンプルキーの場合には15000~20000円程度と、費用も高めになってきます。

またディンプルキーに交換をする場合でも、賃貸物件の場合には家主や管理会社の許可が必要です。

 

ですがディンプルキーであっても必ずしも安全とは言い切れません。

確かに防犯性の高い鍵ではありますが、ディンプルであっても破られないとは限りませんし、家主がローテーションで鍵を使いまわしていれば以前の住人がスペアを持っている可能性もあります。

最近ではディンプルキー専用のピッキングツールもあるとの話も聞きます。

 

また玄関のカギを防犯性の高いものにしても、ベランダ等から侵入される可能性も十分に考えられます。

集合住宅の場合は特に、残念ながら100%安全な防犯対策というのはありません。

鍵交換だけでなく、普段から自分自身が防犯意識を持っておく事が大切ですね。

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賃貸で鍵を紛失した場合はどうする?

鍵を紛失した場合には、まず管理会社や家主に連絡を入れましょう。

鍵を紛失したからと言って、無断で勝手に鍵を交換してしまうのはお勧めできません。

また鍵業者を呼んでも、まずは管理会社に連絡をするように言われる事もあると思います。

 

連絡をしてみて、貸主・管理会社がマスターキーを保管していれば開錠はできます。

ただ最近では防犯上の問題から、管理会社も予備の鍵を保管しないケースも増えています。

その際には鍵業者を呼んでシリンダーごとの鍵交換となりますが、その費用は借主負担とされるでしょう。

普段から鍵の管理には十分に注意しておきたいですね。

 

鍵の交換時に立ち会う事はできる?

賃貸で本当に鍵交換をしているのか疑わしいと感じる借主さんの中には、鍵の交換時に立ち会いたいと考える人もいるでしょう。

この点においてもやはり家主さんが承諾してくれれば鍵交換に立ち会う事は可能です。

また借主さんとしても目の前で鍵を交換してもらい、合鍵が何本あるのか確認したうえでそれらの鍵を手渡してもらえれば、安心して入居することが出来るでしょう。

 

ですが実際には鍵の付け替えやローテーション使いをしている大家さんも多いでしょうから、全ての大家さんが立会いにOKしてくれるとは限りません。

また前の入居者が退去した後の原状回復時には既に鍵交換している事も多いので、実際には鍵交換に立ち会えるケースは少ないと考えておいた方が良いでしょう。

 

賃貸の鍵交換はいつ?交換するタイミングは?

賃貸の鍵交換はいつするものなのでしょうか。

あまり深く考える人はいないかもしれませんが、鍵交換をするタイミングはいつ頃にするのがベストなのでしょうか。

 

基本的には、前の入居者が退去し、室内のリフォーム工事が完了し、新しい入居者が決まった後にすることがベストかと思います。

前の入居者が退去したとしても、リフォーム前となると工事業者さんや内見希望者が出入りするからです(スペアを作られてしまう危険性)。

また内見時には他社の不動産業者も出入りしますので、鍵交換をしてしまうと不動産業者も新しい鍵に触れることになります。

そのためリフォームが完了し、次の入居者が確定した後に鍵交換をするのが望ましいと言えます。

 

賃貸の鍵交換を勝手にしてよい?

中には大家さんに許可を取るのが面倒で、勝手に鍵交換をしてしまいたいと考える人もいるかもしれません。

ですがやはり家主に無断で勝手に鍵交換をしてしまう事はお勧めできません。

 

賃貸住宅において家主に無断で修繕や改良行為をしてしまう事は通常は禁じられており、契約違反となる可能性が高いと言えます。

家主によっては退去を命じられるケースもあるでしょう。

また火事や漏水事故など、緊急時に勝手に鍵を交換していた事により消防士や家主が室内に入れない事で被害が拡大してしまった場合、借主が責任追及される可能性も考えられます。

どうしても鍵交換をしたい場合には、まずは大家さんや管理会社に相談をしてみるようにしましょう。

 

賃貸で鍵交換が不要なことってあるの?

それでは賃貸で鍵交換が不要なケースとはどのような時でしょうか。

一般的には以下のような場合が考えられます。

  • 新築物件
  • 前の住人の退去時に鍵交換をしている

当たり前の話にはなってしまいますが、新築物件であれば自分より前の住人が存在しないので鍵交換をする必要はありませんし、前の住人の退去時にきちんと鍵交換をしているのであれば、やはり改めて鍵交換をする必要はないでしょう。

ですが鍵をローテーションで回しているケースもありますし、中には不当な請求をしてくる業者がいないとも限りません。

 

また中には鍵交換不要の物件というのもあります。

このような物件は一見するとお得に見えますが、そのような物件は前の住人もその物件が鍵交換が不要なことを知っている可能性がありますので、防犯性に不安が残る場合もあります。

入居時には鍵交換の必要性についてしっかりとチェックをしてから契約をしたいですね。

 

賃貸の鍵交換まとめ

賃貸の鍵交換について挙げてみました。

借主さんとしては鍵交換費用を自分で負担することに納得がいかないケースもあるかもしれませんね。

また前の入居者が侵入してくる可能性がある事を心配する気持ちもわからない訳ではありません。

ただし考えすぎてしまってはいつまでも物件が決まりませんし、合鍵を作ることは誰でもできますので全ての可能性を排除することはほぼ困難です。

 

鍵交換にだけ注意を払うよりも、防犯性の高い物件を選んだり、自宅になるべく金品を置かない等、普段から防犯意識を持っておくことが大切なのかもしれませんね。

それでは今日はこの辺で。

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