賃貸で印鑑証明書が必要な理由?悪用される事はある?

今回は賃貸の必要書類に含まれる事がある印鑑証明書について挙げてみたいと思います。

印鑑証明書とは押印するその印鑑が役所に登録してある印鑑ですよ、という事を証明するための書類ですね。

そのため役所に実印登録をしている必要があるという事になります。

人によっては引っ越しをするだけなのになぜ印鑑証明書が必要なの?と感じる人もいるかもしれません。

確かに印鑑証明書は大切な書類ですので、悪用されないか?など提出に不安を感じてしまう人もいる事でしょう。

スポンサーリンク

賃貸契約で印鑑証明書が必要な理由

それでは賃貸契約で印鑑証明書が必要な理由としてはどのような点が挙げられるでしょうか。

大家さんによっては連帯保証人だけでなく契約者本人にも印鑑証明書の提出を求める事もあります。

 

提出が必要な理由としては、主には以下の2点が挙げられます。

  • 本人確認のため(本人確認・なりすまし防止)
  • 意思表示の確認
  • 責任能力の証明

 

まず印鑑証明書を提出してもらうのは、本人確認の意味合いがあります。

印鑑証明書を提出してもらうのは連帯保証人が多いですが、契約者本人にも提出してもらうケースもあります。

賃貸契約と言っても、本当にその人が入居者本人であるかどうかは分かりませんし、連帯保証人が存在するのかどうかも分かりません。

最近では反社会勢力や宗教団体・詐欺集団など、不正な手段でなりすましとして入居していたり、替え玉を使用して住み着いている可能性もあります。

また連帯保証人がなりすましだった場合、本人が家賃滞納などを起こしても、連帯保証人に請求できなくなってしまうリスクもあります。

そのため契約者本人や連帯保証人に印鑑証明書を提出してもらい、本人である事を確認させてもらう意味合いがあります。

 

また印鑑証明書を提出してもらうのは、意思表示の証明でもあります。

印鑑証明書は代理人申請もできますが、基本的には本人が発行するものです。

また契約者と異なり、連帯保証人は契約に立ち会うことはあまりありません。

そのため連帯保証人に印鑑証明を提出してもらうのは「間違いなく私が連帯保証しました」という意思を確認させてもらう意味合いもあります。

後々に連帯保証人に滞納分などを請求した時に「私知りません」なんて言われたら困ってしまいます。

印鑑証明書の提出には納得がいかない場合もあるかもしれませんが、特に連帯保証人は印鑑証明書の提出を求められるケースが多いので、用意をしておく必要があります。

 

また印鑑証明を提出する別の意味合いとして、責任能力の証明も考えられます。

一般的には、15歳未満の人や成年被後見人・判断能力(意思表示能力)のない人は印鑑登録はできない筈です。

いくら賃貸と言えど、入居中には様々なトラブルが起こる事が想定されます。

例えば火災や損傷などが起きた場合など、本人に責任を取ってもらうような場面も出てくるでしょう。

その場合に責任能力がきちんとある人でなければそれを追求できなくなる可能性も考えられます。

そのため印鑑証明の提出は本人や連帯保証人に責任能力がきちんと備わっているかどうかを確認する意味合いもあると思われます。

 

このように賃貸契約で印鑑証明書の提出を求めるのは、ざっくりと言えば「信用力の補完」という意味合いが強いかと思います。

あまり考えたくはありませんが、他人の個人情報さえも取引されているような時代ですから取引に慎重にならざるを得ない部分もあるのでしょう。

借主さんとして印鑑証明書の提出を拒む人が多いのは、やはり「悪用されるのでは?」という心配があるからだと思います。

 

賃貸で印鑑証明書が悪用される事はある?

泥棒の写真

それでは提出した印鑑証明書が悪用されるような事はあるのでしょうか。

確かに印鑑証明書は使い方によっては、お金関係の詐欺やトラブルで利用される事も少なくありません。

 

ですが結論として、賃貸契約で印鑑証明書が悪用されるような事はほぼありません。

印鑑証明を提出しても実印を渡さなければ、まず悪用は難しいでしょう。

印影から偽造される可能性がゼロとは言えないのかもしれませんが、実際にそんな事をする人はいません。

それでももし印鑑証明の悪用が心配なようであれば

 

  • 実印でなく認印で許可できないか交渉してみる
  • 住民票の提出だけで許可できないか交渉してみる
  • コピーではダメかどうか交渉してみる
  • 連帯保証人の代わりに保証会社利用ではダメか交渉してみる
  • 必要な時だけ印鑑登録をし、不要な時は登録を抹消する
  • 契約書の記名と印影を少し被せる
  • 日頃から印鑑登録証や実印を厳重に管理する

 

等の対処が考えられます。

実際には印鑑証明書の提出を求められるケースは多いですし、提出を拒否した場合には契約自体ができない事も考えられます。

悪用される心配をする気持ちも分からない訳ではありませんが、不動産業者や大家さんが悪用するような事はないと思いますので、きちんと準備をした方が良いかと思います。

 

印鑑証明が不要な場合も

印鑑証明の提出は必ずしも必須という訳ではなく、大家さんによっては印鑑証明書が不要な場合もあります。

上記でも挙げているように、やはり身元保証や本人確認・意思確認の意味合いで印鑑証明の提出をお願いしているので、大家さんが不要と判断すれば印鑑証明を提出する必要はありません。

ですが不動産という高額な取引をする上ではやはり印鑑証明を求められる事が多く、一般的な賃貸契約では提出を求めるのが原則的になっていますので、もし印鑑登録をしていないのであればこの機会に実印を作っておくのも良いかもしれません。

賃貸契約以外にも、様々な場面で印鑑証明書が必要になる場合もあります。

登録する印鑑と本人確認書類を持参し、役所で印鑑証明書登録申請書を記入して費用を支払えば簡単に実印登録ができます。

シャチハタ等を除き、どのような印鑑でも実印登録できますが、あまりにも大量生産された印鑑では不安ですので、しっかりとした印鑑を用意するようにしましょう。

 

連帯保証人は印鑑証明書は不要?

連帯保証人の場合には、実印と印鑑照明はほぼ必須と言えます。

借主本人の場合には直接顔を合わせて取引をするので問題はありませんが、連帯保証人の場合には顔を合わせる事もなく、またそのような人物が存在するのかどうかも分かりません。

そのため賃貸契約では連帯保証人は実印と印鑑証明書は必ずと言っても良いほど必要になってきます。

もし連帯保証人に実印がなければこの機会に作ってもらう事も考えられますし、もし抵抗があるようであれば保証会社を利用する等して保証人不要にしてもらうようお願いする事もできますが、貸主側に承諾してもらえるとは限りません。

連帯保証人になる事に抵抗がある人もいますので、しっかりと説明をした上で保証人を選定するようにしたいですね。

 

賃貸保証会社の利用に印鑑証明は必要?

最近では物件を借りるのに賃貸保証会社を利用するケースが多くなってきました。

借主さんとしては保証料を支払うことになるので抵抗がある人もいるかもしれませんが、入居条件となっている場合には納得した上で契約をする必要があります。

賃貸保証会社を利用する上での必要書類は保証会社によって異なりますが、一般的には以下のような書類が必要となります。

申し込み時

  • 保証会社用申込書
  • 本人確認書類
  • 収入証明書(無職・年金受給者・生活保護など)

 

また保証会社の審査が通った後、契約に至った際にはやはり連帯保証人の印鑑証明書の提出が必要になる事が多いです。

そのため保証会社を利用する場合でもやはり必要書類は早めに用意しておきましょう。

 

賃貸の申し込み・契約の必要書類は?

郵送書類

賃貸の申し込み・契約では印鑑証明書以外にも様々な必要書類を用意します。

賃貸の申し込み・契約で必要な書類について挙げておきます。

 

申し込み時の必要書類

  • 申込書(不動産屋が用意)
  • 身分証明書のコピー(運転免許証など)
  • 保証人の情報(名前・勤務先・電話番号など)
  • 預り金(店舗によって異なる)

 

契約時の必要書類

  • 住民票
  • 印鑑証明
  • 収入証明書(源泉徴収票など)
  • 連帯保証人の必要書類(印鑑証明書・住民票・収入証明など)
  • 銀行口座の印鑑・通帳
  • 初期費用のお金(事前振り込みが必要な場合も)

 

中には取得するのに事前に役所や勤務先に申し出る必要書類もありますので、時間の余裕を持って準備するようにしたいですね。

 

賃貸で印鑑証明書が必要な理由まとめ

賃貸で印鑑証明書の提出が必要な理由について挙げてみました。

確かに印鑑証明書は大切な書類ですので提出には慎重になってしまいますね。

賃貸契約の際には印鑑証明だけでなく、住民票や所得証明書など様々な書類が必要になってくるので、余計に心配になってくることもあると思います。

印鑑証明書に限らず、賃貸の必要書類で何か不明な点があれば契約をする前にきちんと確認をしておくようにしましょう。

それでは今日はこの辺で。

スポンサーリンク