建物の所有者と貸主は違うの?
今回は建物の所有者と貸主について少しだけ書いてみようと思います。
所有者と貸主、、引っ越しで部屋を借りようとしている人にとってはどうでも良いと感じる事なのかもしれませんね
あまりネタが浮かばないので出来ればお付き合いください。
さてお部屋を借りる際に重説や謄本などの契約書類を見ると、所有者と貸主の名義が違うケースがある事に気付いた人もいるかもしれません。
人によっては気になって困惑してしまう事もあるかと思います。
スポンサーリンク
建物の所有者と貸主は違うの?

お部屋を借りる際に所有者(持ち主)と貸主が違う場合というのがあります。
大家さんがその部屋を貸してるんだから大家さんが所有者でもあり貸主でもあるんじゃないの?と思われる方も多いでしょう。
まず所有者と貸主について簡単に言いますと、
所有者:その不動産を所有する人
貸主:その不動産を借主に賃貸する人(借主と賃貸借契約を締結する人)
という言い方になりますでしょうか。
所有者だからと言って必ずしも=貸主であるとは限りません。
このパターンでよくあるのが「サブリース」という形態ですね。
このサブリースというのは大家さんが不動産業者に管理等を一括して任せてある形態です。
建物の管理や入居者の募集・家賃保証や集金代行や退去手続きなどなど、、ほぼ全てその業者さんへお任せっていうものです。
一括管理という事ですね。
大家さんはその業者さんへ不動産を転貸(又貸し)する事になります。
そしてその業者さんが貸主となって業務を代行するという事ですね。
ですからその業者さんが入居者(お客さん)を見つけてその部屋に入居してもらったら、大家さん(所有者)→不動産業者(貸主)→借主(お客さん)
という図式になるという事です。
お客さんは業者さんに家賃を支払い、業者は手数料を抜いた金額を大家さんへ支払います。
業者さんの手数料は一般的には家賃の15~20%くらいでしょう。
賃貸の契約をする際には必ず重要事項説明という説明を行います。
これは賃貸借契約書の中で特に重要な部分を抜粋した説明書です。
この重説というのはその物件の管理会社が作成する事が多いのですが、その重説の中でも所有者と貸主の記載があるのが普通です。
でも業者さんが作成した重説の中には貸主だけの記載しかないものもあります。
通常は貸主・所有者が同一であったとしても、両方とも記載しなければなりません。
もちろん不動産屋からすれば貸主の記載しかなければ貸主・所有者は同一なんだなと理解するのですが、どうせならその辺の記載もきっちり徹底するべきかなとも思います。
また重説を見ても貸主・所有者の記載欄の位置が離れている場合なんていうのも多いですね。
別に違反でもなんでもないですが、お客さんに説明する時に位置が離れていると説明しづらいので順に記載しておいたほうが読み手としては親切に感じたりもします。
貸主とは

貸主とは上記で挙げたように、 不動産を貸す人や法人を指しています。
よく見かける賃貸契約においても、貸主=賃貸人、借主=賃借人であり、契約書の条文では賃貸人を甲、賃借人を乙と表する旨の記載があります。
もう少し掘り下げて説明しますと、 貸主という用語は「取引態様」の一つとして使われており、賃貸される不動産の所有者もしくは不動産を転貸する権限を有する者のことを言います。
下記のように取引態様には仲介・代理・貸主があり、「貸主」は 契約の当事者が貸主になっている物件のことを指し、重要事項説明が不要で仲介手数料もかかりません。
取引態様 | 取引態様の意味 | 重要事項説明 | 仲介手数料 |
媒介(仲介) | 不動産会社が貸主と借り主の間に立ち、契約成立のための業務を行う | 義務あり | 一般的には必要 |
代理 | 不動産会社が貸主の代理人として、募集や契約等の手続きを行う | 義務あり | 必要なし |
貸主 | 貸主自らが所有する物件を直接賃貸する | 義務なし | 必要なし |
そのため例えば不動産屋さんが所有する物件(自社物件)を賃貸する場合には重要事項説明等は不要という事になります(トラブル防止の観点から貸主の場合であっても重説を行う場合もあります)。
一般的な賃貸契約においても所有者と貸主が異なることは珍しくはありませんが、万一所有者と貸主の間に何らかのトラブルが生じた場合、入居者さんにも影響が出てくる可能性もゼロとは言えないので、一応は気に留めておく位はしておいたほうが良いかもしれませんね。
それでは今日はこの辺で。
スポンサーリンク