賃貸でアリバイ会社を利用するとバレる?仕組みや違法性は?

今回は賃貸契約のアリバイ会社利用について少しだけ書いてみようと思います。

世の中には住みたい部屋があっても職業等の都合で部屋を借りられない人がたくさんいます。

主に水商売の方々や無職・多重の借金がある方など事情は様々です。

これらの職業の方々がそのまま賃貸の審査にかかると残念ながら審査落ちとなる事が多いです。

やはり収入面の不安定さや生活時間帯の違い等がネックとなり入居審査に落ちてしまう事があります。

そこでこれらの方々が利用するのがアリバイ会社です

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賃貸のアリバイ会社とは

虫眼鏡

賃貸の申し込み時には入居審査が行われますが、この入居審査では「在籍確認」というものが行われます。

在籍確認とはその名の通り、申込書に記入されたその会社に本人がきちんと在籍しているかどうかの確認です。

賃貸のアリバイ会社とは、実際にはその会社に勤めていなくても、さもその人がその会社に在籍しているかのように見せかけてくれるサービスです。

アリバイ会社と言われる事もありますし、「在籍屋」とか「偽装会社」と呼ばれることもあります。

最近では賃貸の申し込み時に使われる以外にも、例えば友人に嘘の会社名を言わなければならない時や、ママさんが保育園に子供を入園させる時の勤務先として利用される事があるようです。

本来はこのようなサービスは利用したくないものですが、どうしても賃貸で部屋を借りたいという人にとってはついアリバイ会社に依頼をしたくなってしまうのかもしれません。

 

アリバイ会社のサービス・確認内容は?

書類

アリバイ会社のサービス内容としては、あたかもその人が会社に在籍をしているかのように見せかける事が主なサービス内容です。

 

電話応対

例えば「電話応対」はアリバイ会社の代表的なサービスですが、本人宛に在籍確認の電話がかかってきた時にアリバイ会社が「只今、外出しております。ご用件をお伺いします」といった応対をしてくれます。

もしくはアリバイ会社によっては掛かってきた電話を本人に転送してくれる所もありますし、逆に相手に偽装会社の電話番号を表示させる事もできます。

 

在籍証明書類

アリバイ会社では各種の在籍証明書類を作成してくれます。

例えば給与明細・在籍証明書・社員証・名刺・源泉徴収票・内定通知書などが挙げられます。

これらの記載内容も依頼者の好きなように内容を変更することが可能ですし、給与明細や源泉徴収票の金額を変えることもできます。

 

保証人代行

賃貸で部屋を借りる際には保証人を求められるケースも多いですが、その必要な入居保証人を紹介してくれるサービスです。

入居審査にも考慮される年齢や収入などに見合った、依頼者が求める保証人を紹介してもらえます。

大体、家賃の50%前後のオプション料金で保証人を引き受けてくれる所が多いかと思います。

 

ホームページ・メール

偽装会社のホームページに本人の名前を掲載してくれたり、会社の同僚や上司を装い、本人に定期的にメールを送信してくれるようなサービスです。

 

アリバイ会社が用意する偽装会社は、会社名だけでなく法人登記もきちんとしてあり所在地にもその会社が存在しホームページも綺麗に仕上げてあり、連絡が入っても女性社員が丁寧な対応をしてくれたりと、本当に在籍しているかのようにカモフラしてくれる所が多いものです。

 

賃貸のアリバイ会社の料金・費用は?

料金はアリバイ会社によって異なります。

ですがよくあるパターンとしては「登録料」「利用料金」「オプション(書類作成など)料金」の構成になっているアリバイ会社が多いです。

一例:

登録料男性:7000~10000円
女性:5000~10000円

 

利用料金15日:3000円
30日:5000円
90日:12000円
180日:20000円
1年間:3万円

 

オプション料金
(書類作成など)
給与明細:5000円
源泉徴収票:1~3万円
社員証:5000~8000円
勤労証明書:5000円
雇用証明書:5000円

※上記は一例です

 

どのような人がアリバイ会社を利用するのか

 

それでは賃貸ではどのような人がアリバイ会社を利用するのでしょうか。

それは

  • 安定したお仕事に就いていない人
  • 事故やケガをしやすい職種
  • 無職
  • 子が保育園等に入園前の母親
  • 夜のお仕事の人

といった人たちがよくアリバイ会社を利用します。

例えば「無職」「フリーター」「アルバイト」「タクシー運転手」「ホスト・キャバクラ嬢」「自営業者」などが挙げられるでしょう。

入居審査では年収に対する家賃比率や、会社名などが確認されますが、賃貸で申し込みをすると言っても会社を転職することも出来ませんし、急に年収を上げることも出来ません。

そのため仕方なくアリバイ会社を利用するといった手段を取る人も中にはいます。

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アリバイ会社(偽装会社)で利用できる業種・職種は?

 

アリバイ会社では複数の偽装会社を用意している所が多いです。

数十~100以上の偽装会社を抱えている所もあり、またペーパーカンパニーだけでなく実在していて法人登記されている会社を用意している所もあるので、不動産屋や家主は見抜けない可能性もあります。

アリバイ会社が用意する偽装会社の業種・職種は様々ですが、以下のようなものがあります。

  • ITサービス
  • 一般事務
  • 人材派遣
  • 建築設計
  • アパレル
  • 美容エステ
  • ネイルサロン
  • デザイナー

など、多数の業種から選択ができるようになっています。

 

アリバイ会社の一例

それでは実際にどのようなアリバイ会社があるのでしょうか。

アリバイ会社と言っても数多くありますが、ここでは幾つかの会社を挙げてみます。

  • ABYアムロ
  • リマックス
  • クリア
  • プライムコール
  • ラポール
  • パスネット

それぞれのサービス内容や料金も各社様々です。

金融系に強いアリバイ会社や入居審査に強いアリバイ会社・保育園入園に強い会社など、それぞれに特色があります。

 

賃貸のアリバイ会社の利用はバレる?

泥棒の写真

それでは入居審査でバレやすいアリバイ会社とはどのような会社でしょうか。

不動産屋側・家主側でもアリバイ対策を行っている会社は多いので、架空の会社やペーパー会社では電話対応でバレてしまう事があります。

また在籍確認の電話応対があまりにも不自然であったり、つじつまが合わない場合にも怪しまれる事はあるでしょう。

 

その他にもバレやすいアリバイ会社というのは在籍会社を数件しか持たない会社が多いです。

不動産屋とアリバイ会社ではまさにイタチごっこで、1年も経過すればその会社がアリバイ会社だと判明し、その在籍会社の利用価値が無くなると、また新たな在籍会社が誕生するという流れがエンドレスに続きます。

過去にアリバイ会社だと判明済の会社を使用するとなると、やはりバレる可能性は高くなると思います。

 

また他にも他の申し込み者が原因でアリバイ会社利用がバレる可能性も考えられます。

例えば自分(Aさん)が偽装会社を使用して入居審査を通過したとしても、その後に同じ偽装会社を使用した人(Bさん)が審査を通過できずに偽装会社であった事をバレた場合、Aさんもその影響を受けてアリバイ会社を利用していた事がバレてしまう可能性もあります。

自分が審査を受かった後であっても100%安心はできないのが怖い所でもあります。

 

賃貸のアリバイ会社利用は違法?詐欺や契約解除は?

ハンマー

賃貸でアリバイ会社を利用している人というのはバレていない人も含めると、割りと数多くの利用者がいるように思います。

ですが賃貸借契約はお互いの信頼関係の上に基づく契約行為です。

まして家主側からすれば記入された情報を元に契約を決定しますので、大切な判断材料とも言えます。

その契約事において嘘をついてしまう事は違法だったり契約解除になる可能性はないのでしょうか。

 

結論としては勤務先に偽装会社の情報を提出したり在籍確認を利用し貸主側を騙そうとする行為は、詐欺未遂や詐欺罪にあたる可能性があります。

賃貸契約のアリバイ偽装で逮捕までいく事は稀かと思いますが、例えば住宅購入時の住宅ローンを組む際の所得証明書の提出でアリバイ会社を利用して利用者が罪に問われたケースもあるようです。

また賃貸の契約書で「虚偽の申告をした場合は即契約解除」とあれば、貸主側は退去を求めてくる事もあるでしょう。

 

実際には賃貸借契約では借主保護の色が強いので、アリバイ会社利用が信頼関係の崩壊により即刻退去となるかどうかは難しい所でもあります。

アリバイ会社の利用がバレた時に、既に新しい会社へきちんと転職が出来ていればそのまま居住し続けていられる可能性もゼロとは言えません。

 

ですがアリバイ会社の利用がバレると貸主と借主の関係は悪くなり、少なくともお互いにとって良い事はありません

虚偽の申告をして入居審査を通過したとしても、その後の生活で常にバレないかとビクビクしながら生活をするような状態であれば元も子もないので、最初からやめておきましょう。

個人的には、やはりきちんと勤め先を確定させてから虚偽の申告をすることなく胸を張って入居審査に望む事をお薦めします。

 

不動産屋の対応・反応は?

不動産屋としてもアリバイ会社の調査はしており、発覚すれば入居審査の段階で申込みをお断りする事が多いです。

また法人登記の有無や在籍確認はもちろんですが、怪しい時には実際に現地調査をして確認をする不動産会社もあるようです。

 

ですが不動産屋からの電話による在籍確認にしても、個人情報施行後は単なる在籍しているかどうかの確認に留まる事も多く、以前のように勤続年数や所属部署まで突っ込んで詳細を聞く事も難しくなっています。

またアリバイ会社のやり方がかなり手が込んでいる為、特に民間の物件の場合にはアリバイ会社であったとしても見抜くのがなかなか困難な事も多いです。

市営・都営住宅やUR賃貸等では所得面や税金面などで在籍会社だと発覚するケースが多いため、アリバイ会社も公営賃貸住宅等では在籍会社の提供を拒否する場合があります。

 

また一方で中には不動産屋自体がアリバイ会社と繋がっている場合もあります。

なぜ不動産屋がそのような事をするかと言うとアリバイ会社からのバックマージンがあるからです。

不動産屋だけでなく、一般の会社や個人事業主でさえも在籍確認のための会社としてパートナー契約をしている会社も中にはあり、審査をパスするとマージンを受け取れる仕組みになっているようです。

 

賃貸のアリバイ会社まとめ

賃貸契約におけるアリバイ会社について挙げてみました。

入居審査で会社情報などが求められる以上、自信がない人はアリバイを使い嘘をつきたくなる気持ちも全く分からない訳ではありません。

 

ですが契約というのはお互いの信頼の上に基づく契約行為です。

また不動産屋さんも仲介をする以上は、できるだけ申し込み・契約が成立をするように柔軟に対応をしてくれるケースも多いかと思います。

まずは素直に打ち明けて、自分の今の状況で部屋を借りられるかどうか・自分に合った物件はどのような物件かという事をじっくり相談してみる事から始めてみるのが良いかもしれませんね。

 

今回は「賃貸契約でアリバイ会社を利用するとバレる?」について挙げてみました。

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