賃貸で管理会社が変わる理由とは?どんなトラブルが起きる?

今回は管理会社の変更について少しだけ書いてみようと思います。

自己管理の場合等を除き、大家さんは管理会社に物件の管理を委託しています。

昔は賃貸物件の管理と言えば家賃の集金や清掃など簡単な業務が中心でしたが、今では様々な業務が管理に含まれています。

大家さんにとっても管理会社は心強い存在ですし、借主さんからしてもトラブル時などには頼れる存在でもあります。

ですがもしそんな管理会社が突然変更になったとしたら、慌ててしまう借主さんもいるかもしれません。

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大家さんが管理を委託するのはなぜ?

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まず大家さんはなぜ物件管理を不動産屋等に委託するのでしょうか。

一戸や二戸の物件であれば自分で管理業務を行っても良いはずですし、実際に自分で管理している大家さんもいます。

なぜ物件管理を委託するのかと言えば、やはり煩雑な業務にかかる手間や時間を削減できるからです。

一般的に管理業務には以下のような業務があります。

  • 家賃の集金
  • 滞納時の対応
  • クレーム・苦情対応
  • 契約更新業務(更新料の徴収など)
  • 退去時のクリーニング・原状回復

 

このように家を貸すという事は多くの細かな業務が発生する事になり、大家さんは手数料を支払ってでも不動産業者に委託した方が経営効率が良いケースが多くなります。

大家さんは管理委託費として、大体1戸につき毎月家賃の3~5%くらいの金額を管理会社に支払っています。

例えば1棟30室のマンションで1室家賃が6万円であれば60000円×5%×30室=90000円程度の委託費となります。

最近では1戸につき1000円とか定額制の管理会社も出てきているようですね。

 

賃貸で管理会社が変わる理由は?

さて賃貸物件に住んでいると、管理会社が変更になるケースがあります。

多くの場合、借主さんは通知により管理会社変更を知らされる事になりますが、管理会社が変更になるのは主に大家さん側の事情や都合の場合が多いです。

主には大家さんが今の管理会社に不満を持ったり、他により良い条件の管理会社が見つかった等の理由で、変更される場合があります。

それでは大家さんが管理会社を変更したいと思うケースとはどのような場合でしょうか。

幾つか考えられる点を挙げてみます。

  • マンション内の清掃が出来ていない
  • 長期間空き室を放ったらかし
  • 成約時の広告料が高すぎる
  • 担当者と関係が上手くいかない(モメた)
  • 他社の方が管理委託費が安い
  • 管理契約の契約満了時の見直しとして
  • オーナーチェンジにより所有者が変わった
  • 大手よりも地元密着型会社への変更
  • 管理会社の対応・レスポンスが遅い
  • 管理会社の経営状況が悪化した

 

上記は一例ですが、大家さんの多くは個人経営ですので、ほんの些細なことで管理会社を変更したいと思うこともあるでしょう。

 

大抵の大家さんは銀行からローンを組みマンションやアパートを購入しています。

想定した利回りで回らなければそのマンション投資は失敗する可能性もあります。

ですから当然空き室期間を長引かせる訳にもいきませんし、できれば余計な広告料等も支払いたくありません。

また管理会社に対しては基本的なサービス以外にも付随したサービスを積極的にして欲しいと考える大家さんもいるでしょう。

 

しかし管理会社の中には経営状況が芳しくない管理会社もあります。

昨今では賃貸入居者自体が少なくなっていますし入居者募集の広告費だって多くはかけられません。

そして万一その管理会社の倒産が見えてきた時、最終的には大家さんの家賃に手をつける可能性もゼロではありません。

最初のうちは1日の入金遅れがそのうちに1週間遅れ…1か月遅れ…中には数か月間も管理会社から大家さんへ家賃の振り込みがなされないというケースもありました。

 

また家賃だけでなく管理会社は借主さんの敷金も預かっている事があります。

そのため管理会社の経営状況は管理会社と大家さんだけの問題だけでなく、借主さんにも影響を与える可能性があります。

 

管理会社変更により起きるトラブルとは?

それでは管理会社が変更になると借主さんにどのようなトラブルが起こる可能性があるでしょうか。

基本的には管理会社が変更になったとしても、前の契約内容がそのまま引き継がれることになりますので、借主さんが行う特別な手続きなどは必要ありません。

契約書を新たに作成する事もありませんし、敷金もそのまま継承される事になります。

 

ですが実際に物件の所有者や管理会社が変更になる際にはトラブルが起こりがちです。

取引相手が変わるという事は対応する人間が変わるという事ですから、今まで普通にOKだった事も変更後はNGになる場合だってある訳です。

例えば更新時に更新料だけでなく事務手数料が取られるようになった・家賃の振込手数料が今までと違う・契約更新時に家賃の値上げを求められたなど、管理会社や所有者が変更になる事で、変更を求められる可能性はゼロとは言えません。

 

また管理会社変更による詐欺にも注意が必要です。

時々あるのが「管理会社変更のお知らせ」の詐欺です。

ある日突然管理会社変更のお知らせの通知がポストに入っており、「翌月分の家賃からはこちらの口座へ振り込みをお願い致します」といった内容の通知をされます。

 

もちろんこれは振り込め詐欺のようなもので、管理会社は変更されておらず、振り込んでしまうとほぼお金は戻ってきません。

中にはそのような通知書面に管理会社名や大家さんの名前まで記載されている事もあるようですから、騙されてしまう人がいるのも分かる気もします。

もしそのような詐欺的な通知があった場合には、振込をせずまず家主や元の管理会社に確認をするようにしましょう。

 

賃貸の管理会社変更で更新料はどうなる?

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もし次期から管理会社が変更になる場合、更新料の支払いはどのようになるのでしょうか。

例えば2月に更新料の支払い時期を迎え、次の4月からオーナーチェンジにより貸主と管理会社が変わるといったケース等が挙げられます。

オーナーチェンジにより貸主が変わったとしても、基本的には旧貸主と借主の賃貸借契約がそのまま継承されることが一般的です。

そのため上記の例で言えば2月には旧貸主(旧管理会社)に更新料を支払う事になりますが、それ以降は新たな貸主に支払っていく事になります。

特にオーナーチェンジや管理会社変更時というのは、稀に更新料の支払い先がどちらになるのか迷ってしまったりトラブルに繋がる可能性も考えられます。

そのため支払った更新料の受領書などを保管しておく等、しっかりと現在の契約内容を把握した上で主張をするようにしたいですね。

 

管理会社変更で振込手数料がかかる?

今までは家賃の振込手数料はほとんどかからなかったのに、管理会社変更により金融機関が変更になり振込手数料がかかるようになったり、引き落としにつき手数料が発生するケースが考えられます。

振込手数料が例え数百円の金額であったとしても、家賃は毎月支払っていくものですので、年間にすればその費用は馬鹿にできる金額ではありません。

管理会社変更による振込手数料等については、やはり管理会社との相談・協議が必要になります。

今までの経緯を話した上で、手数料がかからないように交渉してみたり手数料を差し引いた金額で引き落としてもらう・大家さんに直接相談してみる等が考えられますが、やはり手数料については管理会社の判断次第による部分が大きいかと思います。

過去に家賃の遅れがない借主など、交渉に応じてもらえる可能性もありますので、まずは管理会社側に相談してみる事から始めてみましょう。

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家賃が管理会社変更で値上げされた?

先ほどにも挙げたように、管理会社変更や貸主が変更となる場合であっても、原則としては今までの契約が引き継がれる事になります。

そのため管理会社が変更になったとしても家賃が値上げされるような事は基本的にはありません。

 

ですがケースによっては、家賃の値上げを求めてきたり、新たな契約書合意書にサインを求められる事があります。

確かに周辺相場の上昇や物価の上昇・建物や土地の価値が上昇した等の理由で家賃の値上げを求められるケースはあり得ますが、管理会社が変更になった等の理由で家賃の値上げに応じる必要はありませんし、そもそも基本的には新たに契約書を作り直す必要もありません。

借主さんが納得いかなければ今までと同じ金額の家賃を振り込む(もしくは手渡し)という方法もありますし、貸主側が受け取らないようであれば供託も考えられます。

いずれにしても家賃の値上げ等には双方の合意が必要であり、もし不当な値上げを要求された場合にはむやみにサインをせず、納得がいくような説明を求めていく必要があります。

 

管理会社変更で保証会社も変わる?

最近では家賃保証会社を利用する家主さんが増えています。

やはり滞納家賃のリスクをカバーできる事から、今後も保証会社利用必須の物件が増えていくのかもしれません。

 

今まで借主さんがある家賃保証会社を利用していたとしても、管理会社変更により保証会社も変更になる事があります。

保証会社の規定によっては、賃貸管理会社を変更する事で契約を継続できない事があるからです。

また賃貸契約途中の段階から保証契約を引き継いでくれる保証会社が少ないため、借主との契約を新規で作り直すケースも考えられます。

ですがその場合に、管理会社によっては変更時の保証会社費用を借主に支払わせる可能性もゼロとは言えません。

借主の都合で保証会社を変更する訳ではないので、管理会社が変わるとしても保証会社費用等はオーナー負担で進めてもらうように交渉してみても良いかと思います。

 

管理会社がよく変わる物件ってどう?

テラスハウス

中にはたまに管理会社がよく変わる物件があります。

それこそ数年のうちに、2~3回も管理会社が変更になったという人もいます。

借主さんからすれば、頻繁に管理会社が変更になってしまうというのは、振込先が変わったりなど面倒も多いので、オーナーさん側はできれば頻繁に管理会社を変更するべきではありません。

 

物件が売買されたときに所有者が変わり、同時に管理会社が変わることはよくありますが、同じオーナーで頻繁に管理会社が変更になるようであれば、それは物件オーナーに問題がある可能性があります。

どのような管理会社を選んだとしても、100%満足のいく会社というのは実際には少ないので、オーナーさん側も多少の譲歩は必要になる事が多いのですが、全てが完璧な管理会社を求めようとすると、ちょっとしたトラブルが起きた拍子にすぐに管理会社を変更する事にもなり兼ねません。

 

借主さんとしてもそのようなオーナーと契約を続けていく事は不安になることもあるでしょう。

管理会社が頻繁に変わることが必ずしも悪いとは言えませんが、借主さんの事を考えてもできれば管理会社の変更は必要最小限に留めたいものです。

 

借主が管理会社を判断するポイント

借主さんは部屋を探すときに、建物や部屋の状況はよく観察しますが、その物件の管理会社がどのような会社かという事はあまり気にしない事が多いです。

入居後のトラブル時などに実際に対応してくれるのは大家さんではなく管理会社ですので、出来ればどのような会社が物件を管理しているのか少しでも気に留めておきたい所です。

 

例えば内見をする時でも

  • ゴミ置き場は綺麗に保たれているか
  • 建物の清掃は行き届いているか
  • 自転車置き場は整理されているか
  • 放置自転車はないか
  • 掲示板の情報は更新されているか
  • 共用廊下に不用な物が置かれていないか
  • 専用庭の手入れはどうか
  • 空き部屋のポストにチラシが溜まってないか

 

など、細かい部分に多くのチェックポイントがある事に気付くはずです。

もちろんそれだけで必ずしも管理会社の良し悪しを把握できるとは限りませんが、少なくとも参考目安にはなります。

内見時には部屋の様子だけでなく、物件管理が行き届いているかどうかもチェックポイントに含めるようにしましょう。

 

賃貸で管理会社が変更になる理由まとめ

賃貸の管理会社変更の理由について幾つか挙げてみました。

管理会社が変更になったとしても契約内容は引き継がれますが、それでも出来れば管理会社は頻繁に変更して欲しくないというのが借主さんの本音かと思います。

トラブル時などは管理会社にお世話になることが多いため、できれば同じ管理会社の継続を希望する人が多い事でしょう。

もし変更になったとしても詐欺などに合わないよう、落ち着いて対処をしたいですね。

 

もし入居中に管理会社が変更になった場合でも、落ち着いて対処していきたいですね。

それでは今日はこの辺で。

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