不動産屋の免許番号で信用度がわかるはウソ?良い不動産屋を選ぶには

今回は不動産屋の免許番号と信用度について少しだけ書いてみようと思います。
部屋探しをする際には不動産屋さんを利用する人が多いかと思いますが、その不動産業者が本当に信用ができるのかどうか分からないといったケースも多いかと思います。
またインターネット上の記事等には「不動産会社の免許番号でその会社の信用度がわかる」といった話を見かける事もあります。
確かにもしそのような不動産業者の信用度を図る目安があれば便利ですね。
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目次
不動産屋の免許番号とは

不動産屋の免許番号とは、「宅建業免許番号」の事を指しており、不動産業者が宅地建物取引業を行う免許を受けたときに割り振られる番号のことをいいます。
不動産屋さんに行った事がある人は以下のようなものを見た事がある人も多いかと思います。

これは宅地建物取引業者票というもので、これに国土交通大臣あるいは知事の免許証番号や有効期限・宅建士の氏名等が記載されています。
免許を交付しているのは、国土交通大臣もしくは都道府県知事となっています。
この2つには以下の違いがあります。
- 国土交通大臣免許:複数の都道府県に事務所がある場合
- 都道府県知事免許:1つの都道府県内に事務所がある場合
例えば「国土交通大臣免許(10)第○○号」とか「東京都知事免許(5)第○○号」のような免許番号になります。
なお、「カッコ()」の数字は免許の更新回数を示しています。
つまり免許番号というのは
- 免許権者が国土交通大臣か都道府県知事か
- 更新回数(カッコ内の数字)
- 番号(第○○号)
で構成されています。
不動産屋の免許番号の更新とは?

↑上記の2の「更新回数」は5年ごとに更新されます。(以前は3年毎でした)
そのため更新回数が多い会社は営業歴が長い事が分かるので、人によっては「歴史があり信用ができる会社なのでは?」と判断する人が多いようです。
上記のように免許番号の更新回数等を見れば、確かにその不動産会社が歴史のある会社かどうか分かるような気もします。
この更新回数は5年ごとに1ずつ増えていきますので、新規開業時は(1)、開業して6年目には(2)、11年後には(3)…といった具合に更新の都度数字が増えていく訳です。
ですからこの更新回数が増えれば増えるほど「歴史のある会社」というように感じ、一般の方から見れば開業間もない会社よりは信用ができる会社だと判断するのかと思います。
ですが必ずしも更新回数=不動産業務歴ではない場合がある事に注意が必要です。
それは免許番号・更新回数が様々な事情で変更されることがあるからです。
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「不動産屋の免許番号で信用度が分かる」はウソ?

この免許番号の更新回数というのは様々な理由で変更(リセット)されてしまう事があります。
それではどのような時に免許番号が変わってしまうのでしょうか。幾つか挙げてみます。
前述したように事務所が1つの会社は都道府県知事免許・2つ以上の会社は国土交通大臣免許になります。
例えばある20年の歴史がある会社(更新回数(5))が業績が良くなって、支店を他の県に設ける事になったとします。
そうするとその不動産会社の免許は都道府県知事免許→国土交通大臣免許へと変わります。
ですが更新番号は(5)を引き継ぐことはできず、(1)へと戻ってしまいます。
国土交通大臣免許へ変更になった途端に、国土交通大臣(1)に戻ることになるのです。
切り替え後は新たな宅建業免許が発行されることから、このように新しい免許番号が割り振られることになります。
またその逆も同じで、国土交通大臣免許→都道府県知事免許に変わった場合も(1)に戻ってしまいます。
これは知事免許から別の知事免許への免許換えを行う時に起こります。
例えば本店のみで営業する不動産会社が、その本店をそれまでとは異なる都道府県へ移転させた際、求められる手続きです。
この場合には、現在の知事宛に変更届を提出し、移転先の知事宛に宅建業免許の免許換え手続きを申請する必要があります。
この場合にも新たな宅建業免許が発行されることから、更新回数は(1)に戻ってしまいます。
例えばある不動産会社Aが他の会社B(不動産業とは無縁の会社)に会社を売却したとします。
そうするとB社が歴史のあるA社の更新番号を引き継げてしまいます。
だからもしB社が不動産業について経験が浅い会社だったとしても、歴史のあるA社の更新回数を引き継げてしまう事になります。
例えば開業時に個人事業として宅建業の免許を取得していたとします。
その不動産会社が事業拡大等の理由で個人事業→法人化するとします。
この場合にも、新たな免許番号が割り振られることになり、更新回数も(1)に戻ってしまう事になります。
理由としては、個人事業として免許を取得した場合には、その免許はあくまでも申請者個人に与えられた免許であり、個人の免許は第三者に継承することができないからです。
そのため将来的に法人化や第三者に継承する事を考えているのであれば、最初から法人で免許を取得しておく必要があります。
免許番号が1でも信用がないとは言えない

上記のように不動産屋さんの免許番号は様々な理由や事情で変更されることがあります。
そのため例えばその会社の免許番号が1であったとしても、経験の浅い会社や歴史のない会社とは限らないという事が言えます。
逆に言えば、更新回数が多い不動産会社であったとしても、必ずしも歴史の深い会社とは言えないという事です。
確かに不動産屋の更新回数が判断の目安となる場合もありますが、更新回数が少ない不動産会社であっても豊富なノウハウやスキル・経験を有している場合もあります。
更新回数はあくまで参考情報の1つとして判断をするようにしましょう。
不動産屋の免許番号を検索するには?

不動産屋の免許番号を検索するには国土交通省のページで検索する事ができます。
参考:宅建業者検索システム
この国土交通省のサイトで宅建業者の名前を入力すれば、免許証番号が検索できますし、免許番号から検索する事もできます。
また不動産会社の事を調べたいのであれば、過去の行政処分歴なども併せて調べておくと良いでしょう。
不動産会社の行政処分歴についても国土交通省の「ネガティブ情報等検索システム」から調べることが出来ます。
不動産屋の行政処分と免許の取り消し

上記でも挙げたように、不動産屋が事業を営むためには免許が必要となります。
もし宅建業者に法令違反があった場合には、免許権者は行政処分を行う場合があります。
行政処分には「指示処分」「業務停止処分」「免許取消処分」の3つがあります。
また免許取消処分の処分事由には「必要的免許取消事由」と「任意的免許取消事由」があり、特に必要的免許取消事由にあたる場合には必ず免許が取り消されることになります。
必要的免許取消事由
- 欠格事由に該当する(業務停止処分に該当し、情状が特に重い・業務停止処分に違反する等)
- 免許換えをすべきなのにしていない
- 免許を受けてから「1年以上営業を開始しない」、または引き続き1年以上営業を休業した
- 廃業の事実が判明した
上記の他にも任意的免許取消事由があった場合には、免許を取り消すことが出来ます。
ですが行政処分歴があったからと言って必ずしも悪質な会社とは限らず、現在では業務改善がなされてトラブルのない不動産会社になっているケースもありますし、逆に行政処分歴がなくても問題の多い会社もあります。
そのため行政処分歴などはあくまで参考情報として留めておき、実際の会社側の姿勢や担当者の対応などを見て自分の目で確かめる事が大切ですね。
不動産屋の免許番号で信用度がわかるはウソ?まとめ

不動産屋の免許番号について幾つか挙げてみました。
確かに不動産屋の免許番号・更新回数については一定の目安となる場合もあります。
ですが不動産屋を判断する情報は、免許番号や更新回数だけでなく、「目に見えている情報」や「身近にある情報」の方が、情報としての信用度が高い場合もあります。
例えばその不動産屋の社員たちの接客応対・言葉遣い・営業方法・店内の雰囲気・店内の衛生面・清潔感・広告の表示内容・契約書内容や重説の方法・コンプライアンス等、目の前にある状況がその不動産会社を大きく表しています。
数字だけの情報に惑わされず、実際に来店した時の印象を重視することも大切ですね。
免許番号を含め、自分のお部屋探しに合った不動産業者を選びたいですね。
それでは今日はこの辺で。
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