アパートの部屋にネズミが出た。駆除はどうする?大家の義務は?

今回はアパート等の部屋にネズミが出た場合について挙げてみたいと思います。

賃貸の部屋に住んでいてネズミが出た事はありますか?

最近では部屋の中でネズミと遭遇するケースはあまりないと思いますが、部屋の中を不衛生にしていたり古屋などでは時々見かける事はあります。

普段ネズミが出てくる機会なんて無いだけに、突然出てくると対処や駆除の方法に困ってしまうものです。

また駆除をするにはある程度はネズミの習性等も理解しておいた方が良いでしょう。

今回はそんな賃貸の部屋にネズミが出たケースについて触れてみます。

スポンサーリンク

部屋にネズミが出た場合の被害

まず部屋にネズミが出た場合の部屋や建物の被害について説明します。

ネズミは人間が起きている時間帯にはあまり姿を現さないため、あまり気にならないという人も中にはいるのかもしれません。

ですが部屋内にネズミが住み着いているだけで、人間にもその被害が及ぶ可能性があります。

ネズミが出た場合に考えられる被害について挙げてみます。

 

  • ネズミの菌による食中毒などの可能性
  • ネズミがかじった食べ物から病気に至る可能性
  • かじられた食べ物は処分した方が良い
  • ねずみのフンからアレルギーを引き起こす可能性
  • 家中の配線をかじられ火災に繋がる可能性
  • 柱などをかじられ、建物が傷む可能性(酷い場合は建物が傾斜する事も)
  • ネズミにはダニが寄生しており、ダニに吸血される二次被害の可能性

 

特に怖いのはネズミによる菌類です。

ネズミにはサルモネラ菌やペストなどの病原菌があり、ネズミの体やフン・尿など様々な所から菌が広がる可能性があります。

中にはネズミの菌による死亡例もある事から、発見した場合にはネズミの巣窟になる前に早めの駆除をする事が大切です。

 

部屋に出るネズミの種類

ネズミにも幾つかの種類があります。

ここでは部屋に出ることがあるネズミの種類について挙げてみます。

賃貸のアパート等に出るネズミは以下の種類である事が多いでしょう。

 

ハツカネズミ

これらのネズミの中でも一番小さなネズミで体長は6~10cm程度です。

体の色も背中が白や灰色、黒色で耳が大きく、尻尾の長さが体よりも短いのが特徴です。

体が小さいので部屋内の僅かな隙間でも侵入してしまいます。

 

クマネズミ

クマネズミは体長が15~25cm程度あり、背中が茶褐色や黒である事が特徴的です。

また尻尾の長さが体よりも長めであるのもクマネズミの特徴と言えます。

 

ドブネズミ

ドブネズミは体が大きく、ネズミによっては20~30センチにもなります。

背中の色は灰色っぽく、尻尾の長さが短めである特徴があります。

 

賃貸アパートのネズミ駆除の方法

ネズミは賢い生き物であり、その時々により学習する生き物です。

そのため長期戦を覚悟しなければならない場合もあり、またネズミの習性などを知った上で駆除にあたる必要があります。

 

まず駆除をする前に部屋の中を整理整頓・きちんと片付けるようにしましょう。

食べ物の食べかすや残り物が散乱しているような部屋はネズミが住み着きやすく、また巣窟になってしまう可能性があります。

きちんと掃除をして清潔な部屋にしておきます。

そして出来るだけ部屋の中の隙間を埋めます。

特にハツカネズミ等はほんの小さな隙間でも入って隠れてしまいます。

捕獲する上でも隙間を埋めておき侵入経路や逃げ場を防いでしまう事が大切です。

上記の準備ができたら、実際にネズミの捕獲をしていきます。

最近ではネット上でも毒成分が配合された餌や捕獲アイテムが販売されていますし、粘着シート等の簡単なものであれば100均でも販売されています。

しかし対策をしてもネズミが引っ掛かってくれるとは限りません。

前述したようにネズミは賢い生き物であり、普段と違った環境には気付いてしまう事があります。

 

そのため例えば毒成分の餌を与えるにしても、最初は毒の入っていない餌を食べさせて安心させた後に毒入り餌を与える方法もありますし、粘着シートを置くにしてもネズミが見かけた事がある経路に複数のシートを置くようにします。

またネズミが歩く経路は、以前通ったことのある経路しか通らない事が多いので、独餌を撒くとしても捕獲シートを貼るにしても一度ネズミを発見したことのある場所や通路に設置するようにします。

また出来るだけ粘着剤と殺鼠剤は併用した方が良いでしょう。

 

またネズミの習性として壁際を歩く癖があります。部屋の真ん中を横切って歩くことは少ないものです。

殺鼠剤や粘着シートを置くにしてもネズミを見た事がある物陰や壁際に設置しておくと効果的かと思います。

いずれにしてもネズミは警戒心の強い生き物であり、簡単に駆除できない可能性もあります。

その場合でも長期的に根気強く駆除していく意識が大切です。

スポンサーリンク

ネズミの行動・習性

ねずみは主に夜間に行動し、日没後や人間が寝静まった時間帯に活発になります。

人間や外敵から目の届きにくい場所に巣をつくるので見つかりにくいです。

またねずみは集団で行動する事も多く繁殖率が高いので、一匹ネズミを見つけたらその周囲に数匹のネズミが住み着いている事もあります。

 

ネズミの侵入口は屋根の通気口や換気扇・配管・建物の基礎の隙間・屋根のひさしの隙間・戸袋の隙間などあらゆる侵入経路があり、部屋の中のすべてを封鎖するのは一苦労です。

もしそのような隙間を見つけたらパテや金網でふさぐようにします。

 

またネズミの行動スピードは速いのでゴキブリのように目視で捕まえることはほぼ困難です。

殺鼠剤を設置しても、警戒してすぐには食べてくれないこともありますが、毒餌をあえて美味しくすることは効果的です。

殺鼠剤を物陰や隅に設置しネズミの被害にあった食べ物を粉にして毒餌にふりかけたり、コーン油やソースなどを毒餌に垂らしておくと、ネズミが引っ掛かりやすくなります。

 

天井などでネズミが暴れていることもありますが、天井でしか見かけない場合には単純に天井がネズミの運動場になっている場合もあります。

その場合には天井裏には殺鼠剤を投げ込んでおくようにしましょう。

またネズミが嫌がる香料を配合したスプレー等の販売、ねずみの通り道にトゲや針金の付いた器具の設置なども効果があります。

もしある程度の期間捕獲に取り組んでみて、そのネズミの捕獲が難しいようであればやはり専門業者に依頼をするという方法もあります。

 

ネズミ業者の駆除費用はいくら?

ネズミを駆除している業者はたくさんあります。

ですがその費用には2~3万円と安い費用で引き受けてくれる業者もあれば、10~20万円の費用がかかる業者もあります。

同じネズミ駆除業者でも大幅に駆除費用が異なることが多くあります。

 

この金額の差は、駆除の内容が関係しています。

例えば一般的な薬剤や粘着シートの設置で数匹のネズミが駆除されたとしても、肝心のネズミの発生原因や侵入経路を塞がなければ、またネズミが発生してくる可能性が出てくるでしょう。

一概には言えませんが、高額な料金がかかる業者は防鼠工事など資材を用いて穴などを塞ぐ工事までも行ってくれる所もあります。

また建物の広さや工事の箇所・建物の構造・新築か古屋かなどの事情によっても料金が異なるケースがあります。

 

法外な費用を突き付けられても困ってしまうので、まずは見積もりを取ってもらう事から始めるようにしましょう。

少し高額な費用に見えるかもしれませんが、二次被害を防ぐという長期的な視点で見た場合には、最初から業者に依頼してしまった方が効率が良い場合もあります。

 

ネズミの駆除で個人的にお勧めなのが「ねずみ110番」です。

駆除の料金も良心的で、見積もり後の不正な追加料金を請求される事もありません。

またネズミの駆除をした後でも1年保証が付いているので、駆除後も安心して生活ができます。

本格的にネズミ駆除を検討されている方は参考にしてみてください。

↓公式サイト

 

ネズミの駆除は大家負担?入居者負担?

さてネズミの駆除費用は誰の責任・負担となるのでしょうか。

一般的にネズミが出た時には借主さんが自分で駆除しているケースが多いものの、どうしても駆除しきれないような場合もあると思います。

中には大家さんに連絡をしたものの、具体的な対策を講じてもらえなかったという経験を持つ人もいるようです。

 

建物に被害が出ている場合などは管理上の責任から大家側の責任となることもありますが、一方ではネズミが出るのは普段からの借主の部屋の使用状況(食べ物の残りカスが落ちていたり不衛生など)も関係してきますし、ゴキブリの駆除を借主がするのであればネズミも同様だという意見もあります。

 

個人的な意見を言っていても仕方がないので過去の判例を参考にしてみます。

東京地裁の判例(平成21年1月28日判決)

「建物の賃貸借契約において賃貸人が賃借人に対して負う義務は、賃借人がその使用目的に従って建物を使用収益できる状態にして引き渡せば足りるものであり、その後,建物にネズミ等の生物が侵入して建物の使用に影響を与えるようになったとしても、ネズミ等の建物内への侵入自体は当該ネズミ等と建物を使用する賃借人の使用状況との相関関係により生じる事態であって、賃貸人の管理の及ばない事項である以上、この侵入を阻止するよう措置をとる義務が賃貸人に直ちに生じるものではない」

 

少し分かりずらい文章に見えるかもしれませんが、簡単に言えば「大家さんはその建物(部屋)をきちんと使用できるようにする義務はあるが、もしその後に建物にネズミが侵入してきたとしても、それは建物(部屋)を実際に使用している借主さんの部屋の使用状況等によって起こる事であって、大家さんが管理できる範囲の事ではないから、駆除等の措置は大家さんの義務とまでは言えない」といったような意味合いになるかと思います。

そのためこの判例を見ると、ネズミの発生・駆除等は貸主側には責任が無いように見えます。

 

過去判例においてはこのようになっていますが、もしどうしても自分で駆除・解決できない場合には、大家さんや管理会社に相談をしてみるのも良いかもしれませんね。

またネズミ駆除のように、お互いの責任割合の線引きが難しい事案の発生が予想されるケースにおいては、やはり契約時に契約書・重説等でしっかりと取り決めをしておく事が大切です。

 

賃貸アパートにネズミが出た時の駆除まとめ

賃貸アパートにネズミが出た時の駆除や対策について挙げてみました。

一見すると可愛くも見えるネズミですが、食中毒に繋がったり建物の被害に繋がることがあります。

自分で駆除をしてみてもダメな時は、やはり業者にお願いをした方が良い場合もあります。

ネズミの駆除は長期戦になる事もあるので、根気強く取り組みたいものですね。

それでは今日はこの辺で。

スポンサーリンク