大家さんが井戸水の水質検査をしてくれない?水道を引く義務は?

今回は井戸水の水質検査について書いてみようと思います。

築古や昔の住戸などでは、今でも井戸水を使用している所は意外に多いかと思います。

水道代がかからないケースも多い等、利点はあるかと思いますが、飲料水として使用できるのか・井戸水に含まれるピロリ菌等が心配、、等の
心配を抱える人もいる事でしょう。

賃貸で借りた家の水が井戸水であれば、水質検査をしておきたいと考えるのも自然な所ではありますが、
一方で大家さんがそれに応じてくれるかどうかという問題もあります。

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水質検査をしていない住戸は多い

一般住戸において井戸水を使用している家庭の場合でも、過去に水質検査をしていない家庭は意外に多いものです。

例えば小さなお子さんがいるご家庭等では、その水質に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

実際に賃貸であっても井戸水を引いていて水質検査をしていない住戸は多くあります。

 

理由としては今まで過去に借主からトラブルや指摘がなかった事も挙げられますが、水質検査をすると50項目の全項目検査であれば5~10万円前後の費用がかかる事も多く、コスト面がかかる事から水質検査をしていないという事もあるでしょう。

 

飲料用水として使用していないのであれば数千円の費用で簡易検査する事もできますが、飲料水である場合には十分な検査とは言えません。

50項目の検査を全て借主さんが自分で負担するとなると大きな出費であり、出来れば大家さんに負担してもらいたいと考えるのが本音かと思います。

大家さんに検査義務は?

さて大家さんには井戸水の水質検査義務はあるのでしょうか。

実際には水質検査義務があるかないかと言えば、検査義務は無いと言えるでしょう。

 

水道には水道法という法律があり第20条には以下のように記されています。

水道事業者は、厚生労働省令の定めるところにより、定期及び臨時の水質検査を行わなければならない。

そもそも水道法が井戸水に適用されるのかどうかという問題もありますが、上記のような法律の適用を受けるのは

給水人口が100人以上のケース等であって、100人以下の家庭用の井土では水質検査義務までは生じないと考えるのが自然かと思われます。

どうしても水質検査を希望する場合には、保健所で自分で依頼し検査をしてもらう事が一般的と言えるでしょう。

もしくは他の検査機関などで最近ではインターネットを使用して申し込みができる事もあるので、便利な時代になりました。

水質検査キットが送られてきて、それに井戸水を入れ、返送するというものです。
時間がない時はこのような所に依頼しても良いかもしれませんね。

検査結果が不適格だった場合は?

さて水質検査をした結果、飲料水として不適格だった場合はどうなるでしょうか。

保健所自体も井戸水自体の水質検査を受ける事を勧めていますし、水は生活には欠かせないものです。
何より大家さんには毎月賃料を支払っている以上、借主が快適に過ごす事ができるように手配する義務があります。
水質検査で井戸水に大腸菌類が含まれていたりした場合には、当然生活用水として利用していくのにも不安がある事でしょう。

 

通常大家さんには部屋を賃貸するにあたり、最低限として幾つかの義務が課せられています。

雨露をしのげる居室である事 

トイレや排水設備がある事 

炊事のできる設備と飲料水(水道)がある事

などが挙げられます。

大腸菌が含まれている水道は当然に飲料水として利用できるとは考えられません。
そのため借主さんとしてはもし井戸水に大腸菌が含まれている場合、大家さんに水道を引いてもらう事を請求できると考えて良いように思います。

 

ただし水道を引くにも多額のお金がかかる事から、大家さんが素直に水道を引いてくれるとは限りません。
強情な大家さんであれば拒否してくる事も十分考えられるでしょう。

どうしても大家さんが水道を引いてくれない場合には少々強引ではありますが、借主さん自らが浄水器を設置したり水道を引いてしまうという事も考えられます。
浄水器設置費用や水道を引く費用は必要費として計上できるので、水道を引いた後に大家さんにその工事費用を請求する事も出来るでしょう。

 

それでも工事費を支払ってくれない場合には賃料から工事費の必要費を差し引いた金額を賃料として支払う事も検討できます。

毎月賃料を受け取っている以上は貸主には建物の修繕義務があります。
その義務が履行されなければ賃料から必要費を差し引いた金額を提供するという事は、借主さんの立場からしてみれば当然でしょう。
もちろん無断で差し引くのではなく内容証明等で大家さんにその旨通知をしておく必要があります。

 

水質検査を一度してもらえば、その後も定期的な検査は必要ではあるものの、今後の大家さんの賃貸経営にも水質検査済という事で物件紹介できる利点もありますし、お互いにとっても損はないはずです。
気になる方は大家さんに一度相談してみるのも良いかもしれませんね。

またトラブルになる以前に、借りる物件が井戸水使用の住居だった場合には、契約前に水質検査済かどうか・飲料水として使用できるかどうか等の質問も
あらかじめしておいた方が安心ですね。

それでは今日はこの辺で。

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