騒音でうるさい隣人を追い出すことはできる?

今回は騒音でうるさい隣人について挙げてみたいと思います。

隣人問題や近隣問題として、常に上位に挙げられるのが騒音の問題です。

特にマンションやアパートに居住している方によって、騒音の問題は避けられない場合もあります。

これがたまに騒音が聞こえる程度ならまだしも、毎日のように騒音が聞こえた場合には、我慢ができずについにはその隣人を追い出したいと思うこともあるかもしれません。

今回は騒音でうるさい隣人を追い出せるかどうかについて触れてみます。

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集合住宅の騒音問題

集合住宅に住んでいると様々な騒音問題があります。

入居者には様々な年齢・職業の人がおり、それぞれの生活時間帯が異なることもあれば、生活パターンの違い・感覚の違いなどもあります。

一般的に、集合住宅で騒音問題となりやすいのは以下のようなケースが挙げられます。

  • 楽器を演奏する音
  • テレビのボリューム
  • 音楽を聴く音
  • 酔っ払いが騒ぐ声
  • ペットの鳴き声
  • 住人同士の話声
  • 床ドン・壁ドン
  • カラオケの音
  • 電話で話す声
  • 目覚ましアラームの音
  • 洗濯機の音
  • 掃除機の音
  • 麻雀の音
  • 子供が騒ぐ声
  • 子供を叱りつける親の声

 

特に木造や築古の物件だと隣人からの騒音が聞こえやすい物件もありますし、建物構造によっても騒音の聞こえ方は変わってきます。

また最近では隣人同士の付き合いやコミュニケーションが希薄になっている事から、お互いの事情をよく理解していないだけに余計に騒音トラブルが発生しやすいとも考えられます。

またその騒音の種類によって、日常生活をする上では起こっても仕方がない騒音も中にはあり、その線引きが難しい場合があります。

 

騒音でうるさい隣人を追い出すことはできる?

それでは騒音でうるさい隣人を追い出すことはできるのでしょうか。

例えば深夜に故意に騒いだり、楽器演奏を深夜に大音量でしているなど、騒音で周囲に迷惑をかける隣人を追い出せるのかどうかという点が問題です。

賃貸借契約上でも、一般的には深夜の生活騒音については迷惑行為として禁止する「特約」が付されていることが多いと思います。

 

またこのような特約は、常識的にみて合理的なものであれば入居者様に不利な特約とはならず、有効なものとされます。

そして借主は契約に定められた用法に従った使用収益をする義務を負っており、他の居住者に迷惑をかけないように部屋を使用する義務があります。

また借主は善良な管理者としての注意をもって、部屋を使用する義務もあります。

もし騒音のレベルが一般的な受忍限度を超えており、貸主側から注意をしてもそれに応じず騒音行為を続ける場合には、やはり契約解除とし追い出される可能性があります。

また仮に特約が無かったとしても、何度注意しても改善が見られないような場合には、信頼関係が損なわれたとして契約解除が認められる場合もあるでしょう。

 

逆に言えば、貸主が注意をしたらすぐにその迷惑行為をやめたという借主に対しては、契約解除とする事は難しいと言えます。

また確かに迷惑行為を行っているのはその借主本人ではありますが、貸主である大家さんが何もせずに良い訳ではありません。

大家さんは他の借主らに対しても、建物を平穏に使用収益できる状態にして提供する義務を負っています。

そのため大家さんとしてもその都度、迷惑行為を行う借主に対して注意をしなければなりませんし、ケースによっては契約解除も視野に入れて行動をする必要があります。

 

隣人の騒音で仕返しをされる例も

隣人に対して騒音を起こすと、逆に隣人から仕返しをされる事もあります。

いくら独立した部屋とは言えアパートやマンションでは壁一枚で繋がっている訳ですから、仕返しをされる可能性も十分にある訳です。

例えば以下のような仕返しをされる事が考えられます。

  • 騒音以上のボリュームで音楽を流された
  • 玄関の鍵穴を接着剤等で塞がれた
  • 害虫がポストに入っていた
  • ベランダにゴミやタバコが投げ込まれた
  • 近隣に悪い噂を流された
  • 早朝から叩き起こされた(布団叩きの音など)
  • 名指しで注意警告の貼り紙をされた
  • 駐車してある車にイタズラされた
  • 自転車がパンクしていた
  • 壁ドン・床ドン
  • 嫌な音(ガラスを引っ掻く音・モスキート音など)

 

騒音に対して仕返しをしたくなる気持ちは分からない訳ではありませんが、相手に仕返しをしたからと言って問題が解決する訳ではありません。

むしろ問題はエスカレートしていき、最悪の場合には傷害事件などに発展した例もあります。

仕返しで解決をしようとせず、まずは管理会社や大家さんに相談をする事から始めましょう。

 

騒音隣人を追い出すことは簡単ではない

騒音を立てる隣人であっても、やはり法律で守られた借家人であることに変わりはありません。

確かに騒音が度を超えていたり再三の注意にも改善をしないような場合には契約解除できる可能性がありますが、簡単にはいかないケースが多いものです。

 

実際に住人からの苦情を受けた大家さんや管理会社が取る対応としては、掲示板等に「静かにしていただくようお願いします」といった貼り紙をしたり、入居者に個別の注意をする、周辺住民への状況の聞き取りといった程度に留まることが多く、いきなり追い出したり契約解除まで持っていく事はなかなか困難です。

まして受忍限度を超えている騒音ならともかく、少しの騒音やゴミ出しルール違反・隣人の悪口・部屋が不衛生など、軽微な違反程度であれば解除は難しい場合が多いです。

 

また騒音問題は個人の感覚の問題も含まれる事から、加害者とされる住人の言い分も聞く必要があり、大抵は意見の喰い違いや感覚のズレが生じている事が多く、根本的な解決まで至らないこともあります。

例えば迷惑行為を行う本人から「再度迷惑行為を行った場合には賃貸借契約を解除し、退出する」といった同意書面を取ったとしても、実際に裁判にし退去を求めるとなれば多くの時間や費用・手間がかかります。

そのため月並みではありますが、まずは騒音問題が生じた段階で大家さんが中心となって早めのうちに問題解決に臨むことが望まれます。

 

騒音でうるさい隣人を追い出せる?まとめ

騒音の隣人を追い出せるかどうかについて挙げてみました。

特に集合住宅等では騒音問題が避けられない部分もあり、また騒音には個人差もある事から決して簡単な問題ではありません。

突き詰めると結局は精神的に病んでしまい、どちらかが退去するハメになってしまう事も多くあります。

そのため騒音問題は居住者がお互いに配慮し合い、問題が発生したら早期の段階で話し合いを持つことが大切です。

同じ建物で居住する隣人である以上、お互いに出来るだけ平穏に暮らしていきたいものですね。

それでは今日はこの辺で。

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