退去立会いの30のポイント。絶対に損をしないための注意点
今回は退去立会いのポイントについて挙げてみたいと思います。
退去立会いは今まで住んでいた賃貸物件を明け渡すときに行われます。
立会いの目的は、部屋の各箇所につき修繕工事の費用の負担を大家さん・借主さんのどちらの負担とするのかをはっきりさせる目的で行われます。
この退去立会いによって後日返還される敷金の清算金額が決まるので、借主さんにとっても大切な事ですね。
それでは退去立会い時のポイントとしてはどのような点が挙げられるのでしょうか。
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目次
退去立会いのポイントは?
退去立会いの際には管理会社の担当者が部屋の様々な箇所をチェックしますが、それでもチェックポイントはある程度共通しています。
ここでは重点的にチェックされやすいポイントを挙げてみます。
① 壁の傷・クロスの汚れ(穴・傷・汚れ・日焼け・カビなど)
② 床(フローリング・カーペットの傷・へこみ・汚れ・変色)
③ 水回り(水垢、カビ等)
④ 台所(油汚れ・スス汚れ)
⑤ 畳(破損、破れ、汚れ)
⑥ 襖(破損、破れ、汚れ)
⑦ 窓ガラス(破損・ヒビ)
⑧ 網戸(破れなど)
⑨ エアコンの汚れ・故障の有無
⑩ 換気扇(故障・汚れ・サビ)
⑪ 浴室乾燥機(壊れていないか)
⑫ ウオシュレット(壊れていないか)
⑬ タバコ(別途請求される場合あり)
⑭ 残置物の有無(持ち物が部屋に残っていないか)
⑮ 鍵(スペアキー)(破損・紛失していないか)
もし退去前に清掃を施すのであれば、これらのようなポイントを重点的に清掃をしておいた方が良いでしょう。
貸主負担?借主負担?原状回復の負担とは
退去立会い時に不動産屋さんがチェックする重点ポイントは上記のようになりますが、実際には貸主負担の部分まで借主負担にされていたり、本来は借主さんが負担すべきものでない部分まで負担させられるようなケースもあります。
ガイドラインに照らし合わせて考えれば基本的な考え方は以下のようになります。
貸主負担 | 経年劣化・通常使用による損耗 |
借主負担 | 通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(通常の生活で生じた傷・汚れ等は含まれない) |
貸主負担の部分を借主負担にされてしまったケースとして、例えば以下のような事例が考えられます。
- 家具を設置したことでへこんだ床・カーペットの跡の修復費を借主負担として請求された(本来は貸主負担)
- 壁の下地ボードの張り替えが不要な程度の画鋲やピン等の穴の修復費用を請求された(本来は貸主負担)
- 清掃で除去できる程度のガスコンロ置場や換気扇の油汚れを借主負担とされた(本来は貸主負担)
- 日照など自然現象によって起こる壁や天井のクロスの変色も借主負担とされた(本来は貸主負担)
このように貸主負担となるのか・借主負担となるのかは中々判断が付きにくいケースも多いです。
この点においては東京都都市整備局の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」が分かりやすいので参考にさせて頂きます。
※出典:賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン リーフレット
このようにガイドライン上でも貸主負担・借主負担とされる部分が定められています。
借主さんとしては自分が負担すべき部分をはっきりとさせた上で、もし自分が負担すべきものではない箇所まで修繕費用を請求された場合には、しっかりと説明を求めるようにしましょう。
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その他の退去立会いのチェックポイント
それでは退去立会いの際のその他のチェックポイントとしてはどのような点が挙げられるでしょうか。
幾つか挙げてみます。
退去立会いの日にちは、通常は不動産屋さん(管理会社)と相談をして決めます。
引っ越しで全ての荷物を出し終わったあと、引っ越し日~解約日までの期間中に立会い日を設定します。
都合が悪い日などがあればあらかじめ伝えておきましょう。
退去立会いの時間も不動産屋さん(管理会社)と相談をして決めます。
通常は午前中から暗くなる前の夕方(日没)までの時間帯で立会い時間帯を決める事が多いでしょう。
通常は30~40分もあれば終了します。
入居期間が短期間であったり部屋が広くない場合などは、もう少し早く完了する場合もあります。
長くても1時間と考えておけば良いでしょう。
参考記事:退去の立会いの時間は何分くらい?時間帯は?変更はできる?
これは家主・管理会社によってケースバイケースとしか言えません。
もし退去立会いの日時を変更したい場合には早めに相談をしてみましょう。
当日の変更はほぼ難しいと考えておいた方が良いでしょう。
退去立会いは必ずする必要がありますが、本人が一人でするケースも多いです。
ですがもしものトラブル回避のため、可能であれば誰かに同席してもらった方が良いでしょう。
一般的には以下のようなものが考えられます。
- 返却する鍵
- 身分証明書
- 認印
- 委任状(本人が立ち会えない場合)
各社持ち物が異なる場合も多いので、あらかじめ管理会社さんに聞いておきましょう。
委任状等を持参する事で代理人を立てる事ができる場合もあります。
ですが出来る限りやはり本人が立ち会うべきです。
原状回復や修理箇所の確認などは住んでいた本人でないと分からない部分も多く、後々トラブルの原因に繋がる可能性もあります。
どうしても代理人を立てる場合には管理会社に相談をしてみましょう。
清掃・掃除をしておく事をお勧めします。
ちょっとした清掃で修繕負担が変わる場合もありますし、業者さんによっては不要な家具やゴミを放置していた場合に処分費用を請求される可能性もあります。
上記の重点部分を中心にできるだけ掃除をしておきましょう。
これも業者さんによってケースバイケースです。
どちらかと言えば水曜日の方がNGが出る可能性が高いように思います。
立会いが不要と言われる事は会社によってはあります。
ですが基本的には退去立会いはしておいた方が無難です。
退去立会いは敷金精算トラブル防止の為に行っていますので、もし立会いをしていない場合には後から傷や汚れがありますと言われても確認しようがありません。
もしどうしても退去立会いをしないという事であれば、敷金の返還や原状回復をどのように精算するのか、具体的に話を詰めておく必要があります。
もし鍵を紛失していたらすぐに管理会社(家主)に相談をしましょう。
また契約書等にも鍵の紛失時の対応について記載がある場合もあります。
無許可で鍵交換をするような事はやめましょう。
契約書の返還の必要はないと思われます。
契約書は契約内容を明確にするための書類であり、契約書がないとどのような清算をするべきか確認できなくなります。
もし契約書の返還を求められた場合には、なぜ返還の必要があるのか確認を求めましょう。
また事前にコピーを取っておいても良いと思います。
退去立会いが終わった際に、担当者から清算書へのサインを求められる事が多くあります。
清算内容に自分が納得しているのであればサインしても良いですが、不明な点が多い場合には安易にサインをするべきではありません。
不明な点は納得がいくまで説明を求めるようにしましょう。
- 電気、ガス、水道の転居手続き
- 固定電話・インターネットの移転
- 郵便局への転送届け
- 役所にて転出届の提出
- クレジットカード等の住所変更
- 勤務先への届け出
- 会員登録をした店・サイト等の住所変更など
基本的には上記のような事が想定されます。
他にも手続きが必要になる場合もありますので、よく身辺を確認してみましょう。
通常は退去後、清算書の通知が届き1~2ヵ月以内には残りの敷金が返還されます。
賃貸借契約書に返還時期が記載されている事もあるでしょう。
敷金は延滞なく返還されるべきですので、もししばらく返還されないようであれば管理会社さんに連絡をしてみましょう。
退去立会い時に見落としがあった?追加請求される?
退去立会いの時には何も言われなかったのに、後日になって室内の傷や汚れなどを指摘されるケースもゼロではありません。
退去立会い後に同意書等にサインをした後であっても、稀に大家さんによっては後から追加請求をしてくる可能性もあるのです。
基本的には退去時は管理会社担当が立ち会うので大家さんは立ち会っておらず、後日になってからこのようなトラブルが起きる事は想定される事です。
ですが借主さんとしては管理会社担当が大家さんの代理として立ち会っていると考えるでしょうから、後になって請求額を変更されれば納得いかないのも当然の事かと思います。
結論としては、このように後日に傷や汚れがある事が分かったとしても、実際には貸主(大家さん)が負担する結果となっているケースが多いかと思います。
退去時に双方が立ち会った上で修繕範囲を確定し、それに対してしっかりと双方が合意をしていれば、そこで退去時の清算の合意が成立しているとも考えられます。
そのためその後の分については通常は貸主負担となると考えられますし、話し合いの場を持つ事があるとすればそれは貸主と管理会社間での相談になるかと思われます。
借主が承諾すれば今度は貸主立会いのもとで再度立会いをし直す事も可能かもしれませんが、一度確定した修繕費を変更する必要まではないようにも感じます。
いずれにしても借主としては退去立会い時の同意書等をしっかりと保管して、自分が修繕すべき範囲をしっかりと主張するようにしたいですね。
退去立会いのトラブルを防ぐには
退去立会い時というのは、敷金精算というお金が動くこともありトラブルに発展するケースが多々あります。
それでは退去立会い時のトラブルを防ぐには、どのような事に注意をするべきでしょうか。
簡単な対策としては、以下のような例が挙げられます。
- 入居時には契約書内容の不明点を質問してクリアにしておく
- 退去が決まった際には早めに連絡をする(1カ月前予告が一般的)
- 退去時にも契約書を細かく読んで、特約などの内容を把握しておく
- 必ず退去時の立会いをする(業者任せにしない)
- 入居時・退去立会い時の写真を撮っておく
- ガイドラインを元に、傷や汚れの箇所を一覧表にまとめる(貸主負担か借主負担か)
- 納得がいかない場合には同意書等にむやみにサインしない
- トラブルが発展した際の相談先を決めておく(市区町村窓口・宅建協会・国民生活センター等)
特に退去立会い時のトラブルというのは、退去時になってから対策をすれば良いと考えている人が多いものですが、実際には入居時に契約内容をしっかりと把握していれば防げたトラブルというのも多くあります。
入居時・退去時ともに契約内容をしっかりと理解して、納得ができない項目にはむやみに署名等をせずに自分の意見をはっきりと主張するようにしましょう。
退去立会いのポイントまとめ
退去立会いのポイントについて挙げてみました。
退去の際の立会いというのは人生の中でも何度も経験するものではありません。
また原状回復時において貸主負担となるのか、借主負担となるのかの線引きも判断が難しい場合もあります。
やはり大切な事は不明な点は安易に承諾をせず、自分が納得がいくまで確認を求める事に尽きます。
また退去後の新居への引っ越し時にも多くの費用がかかります。
敷金・礼金・仲介手数料や引っ越し業者の料金など、引っ越しには数十万円の費用を計上しておく必要があります。
そのため新居探しには少しでもお得になる賃貸サイトでお部屋探しをする事をお勧めします。
せっかく今まで長く住んできたお部屋ですので、退去の際はしっかりとお手続きを済ませて新居に向かいたいですね。
それでは今日はこの辺で。
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