アパートのタバコの臭いが取れない?退去時の原状回復費はいくら?
今回はアパートやマンションのタバコの臭いや原状回復費について挙げてみたいと思います。
スモーカーの方々にとってはタバコをやめられないという人は多いですね。
中には1日に2箱以上タバコを吸っているという人もいるようです。
ですが昨今の風潮としてはタバコの喫煙人口は減少しており、また街中でもタバコを吸える場所自体も少なくなってきています。
喫煙者の方々はこれからも肩身が狭くなっていくことになりそうです。
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目次
アパートのタバコの臭いが取れない?
アパートやマンションの部屋の中でタバコを吸う方々はお気付きの通り、入居時よりも壁などが黄ばんで変色してきている筈です。
この原因となっているのはタバコの有害物質であるヤニ(タール)であり、このヤニが煙にのって様々な場所に付着していきます。
壁が黄ばんでくるのもこのタールが蓄積されていった汚れが原因です。
もちろんアパートのタバコの臭いもこのタールが原因であり、またタールは油性で粘着性があるため簡単な掃除程度では落とすことが出来ません。
またタバコのタールには独特の臭いがあり、市販の消臭剤や消臭スプレーでは対応できない事も多く、部屋全体にタバコの臭いが付着します。
よくアパートやマンションで前入居者が退去した後にクリーニングが十分でないと部屋から臭ってくることもあるのはこのためです。
アパート等、タバコのヤニ落としでよく使われる洗剤としては、重曹・セスキ炭酸ソーダ・漂白系洗剤などが使われ、スポンジやブラシでこすって付着したタールや臭いを落としていきます。
他にも市販のヤニ落とし剤が売られていますので試してみると良いでしょう。
ただしどの洗剤を使用するとしても、クロスによっては変色やムラができてしまう事があるので、まずは目立たない所で試してみてから徐々に壁全体に使用しておく事をお勧めします。
また清掃中は必ず窓を開けて換気をしながら行いましょう。
アパートのタバコの臭いの原状回復はどちらの負担?
それでは退去時の原状回復費の負担はどうなるのでしょうか。
部屋にヤニが付着している人は、この汚れや臭いの清掃費用が自分の負担になるのか・それとも大家さんの負担になるのか気になる人も多いはずです。
この点においてはガイドラインを参考にすると以下のように示されています。
タバコ等のヤニ・臭い
喫煙等によりクロス等がヤニで変色したり臭いが付着している場合は、通常の使用による汚損を超えるものと判断される場合が多いと考えられる。
なお、賃貸物件での喫煙等が禁じられている場合は、用法違反にあたるものと考えられる。
※引用 国土交通省ガイドラインより一部引用
上記の通り、クロスの変色や臭いについては、通常の使用による汚損を超えるものと判断される場合が多いと記載があります。
一般的には、通常の使用による汚損を超える部分については借主負担とされるケースが多いことから、タバコによるクロスの変色や臭いの原状回復費用については、借主負担とされる事が多いと判断できます。
また「賃貸物件での喫煙等が禁じられている場合は、用法違反にあたるものと考えられる」とあり、特にタバコ喫煙が禁止されているアパートやマンションで喫煙をしていた場合には、用法違反として原状回復費用は借主さんの負担となるとも考えられます。
以前の旧ガイドラインでは喫煙自体は用法違反等とまでは示されていなかったようですが、昨今の喫煙問題を重要視し内容が一部変更されたようです。
喫煙者としては高額な原状回復費用を支払わないためにも、入居時からタバコ対策が必要と言えます。
タバコの臭いの原状回復費用はいくら?
それではアパートやマンションでのタバコによるクロスの変色や臭いなどの原状回復費用はいくらになるのでしょうか。
この点においては個々の契約内容や居住年数等によっても異なるため一概には言えませんが、一例を挙げてみたいと思います。
一般的に現在の賃貸契約では退去時に以下のような費用がかかる事が多いです。
敷金ー(ハウスクリーニング費用+入居者が理由の修繕費)=敷金の清算金
まず特約等で「ハウスクリーニング費用」が特約で付されている事が多いと思います。
ハウスクリーニング費用は1㎡あたり1000~1200円程度が相場です。
例えば40㎡の部屋だった場合には、恐らく40000円前後のハウスクリーニング費用がかかっているケースが多いと思います。
またタバコで壁紙に汚れや臭いが付着していて壁紙(クロス)交換をする場合、費用がさらに高額になる場合があります。
壁紙の交換は1㎡=1000円前後です。
例えば6帖 = 40m²くらいの部屋だとすると
壁紙の張り替えだけで1000円×40㎡=40000円のクロスの張り替え費用がかかる事になります。
ここまでの計算だと、ハウスクリーニング費用(40000円)+壁紙の張り替え(40000円)=8万円となり、もし契約時に預け入れた敷金の額が8万円以下だった場合には、自己負担分が発生することになります。
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経年劣化・減価償却を考慮する
上記の計算では、クロスを張り替え費用を全額負担する計算となっています。
ですが実際には、ここから経年劣化・減価償却を考慮して計算をする事になっています。
経年変化や自然損耗等による建物価値の減少分については賃料(毎月の家賃)で支払っているという考え方をします。
減価償却とは難しそうな言葉ですが、要するに経年劣化により価値が減った部分も考慮して計算をしましょう、という事です。
以下は国交省ガイドラインの入居年数における負担割合表です。
出典:国土交通省住宅局 原状回復ガイドライン
壁紙の耐用年数は、「6年」とされており、6年以上経過している場合、価値は「1円」まで低下することになります。
そのため例えば借主さんがその部屋に3年住んでいたとしたら、壁紙(クロス)の価値は半分程度まで下がります。
先ほどの計算を用いると
例:3年居住した場合
1000円×40㎡×1/2(半分になる)=20000円
となり、クロスの張り替え費用の負担は半分にまで減りました。
そしてもしその部屋に6年以上居住していた場合には、壁紙の価値は1円まで低下しているので、基本的にはクロスの張替費用は請求できないと考えられます。
このようにタバコによる汚れや臭いが付着していた場合でも、壁紙張り替え費用が全額かかってくる訳ではなく、経年劣化・減価償却を考慮して計算をする事になります。
ただしタバコの臭いや汚れは当然に壁紙だけではなく、特に居室以外の部分でタバコを吸っていたり、ヘビースモーカーの場合にはフローリングやエアコン・ドア等の他の部分にもタバコの臭いや汚れが付着している可能性があり、消臭作業代金や高圧洗浄代等の費用が別途かかってくるケースもありますので注意が必要です。
アパートのタバコの臭いについての対策は?
それではアパートやマンションでタバコを吸う方にとっては、どのような対策が考えられるでしょうか。
あらかじめタバコの臭いや汚れが借主負担となり得ると分かっている訳ですから、最初に対策を考えておきたい所です。
アパートやマンションでタバコを吸う喫煙者が取る対策としては、以下のような方法が一般的です。
- 部屋内で吸わない
- 空気清浄機を使う
- こまめに清掃をする
まずはやはり部屋内で出来るだけタバコを吸わないことが第一です。
外で吸える場所を見つけたりして、なるべく部屋内にタバコを吸わない癖を付けてしまう事が第一と言えます。
たまに換気扇の下やベランダで吸っている人もいますが、建物規約でベランダ喫煙が禁止されていたり、隣家の洗濯物に臭いが付着する等、苦情の原因にもなりますので特に集合住宅の場合にはあまりお勧めできません。
またタバコの臭いが気になる方は空気清浄機を購入するのもお勧めです。
購入費と電気代はかかってしまいますが、先々のクロスの張り替え費用を考えれば普段から使用していた方がコスパが良い場合もあります。
特に最近では脱臭作用を持つ高性能なフィルターのものや、活性炭などで脱臭作用を強めたフィルターの空気清浄機もあるので、タバコをアパート部屋でよく吸う人にとっては便利なアイテムです。
またこまめに清掃を施すことも大切です。
退去時にはタールの汚れが蓄積し、自分で清掃しようとしてもなかなか付着した汚れが除去できないケースがあります。
そのため日頃からこまめに清掃をしておく事で、退去時も簡単な清掃に留めることができます。
少し面倒ではありますが、タバコの臭いや汚れは普段から綺麗に掃除をしておく事が大切ですね。
アパート・マンションでタバコの臭いが取れない?まとめ
アパートやマンションでタバコの臭いが取れないケースについて挙げてみました。
吸い始めるとやめるのが中々難しいのがタバコであり、禁煙をする際には強い意志をもってやめる必要があります。
自分の健康面を考えても、できれば少しずつでもタバコの本数は減らしていった方が良いのかもしれませんね。
タバコを含め、普段から退去時のことも想定しながらお部屋を使用していく事が大切ですね。
それでは今日はこの辺で。
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